前回、ただ単純に移動平均線の向きに沿って次のローソク足の始値でエントリー、その終値で決済を繰り返した。
参考:【FX手法検証】移動平均線の向きに沿って(トレンドに沿って)ひたすらエントリーしたらどうなるか
この手法においてはあまり資金効率が良くなかった。
そこで条件を追加してみよう。
移動平均線の向きに沿ってエントリーとはいっても、移動平均線の角度が急な場合(トレンドが強い場合)にのみエントリーする!
目次
1.移動平均線の角度が急な時(トレンドが強く出ている時)にのみエントリー
以下の例を見てください。
前回は常に移動平均線の向きに沿ってエントリーを繰り返しましたが、今回は移動平均線の角度に縛りを入れます。
つまりは移動平均線の角度が急 = トレンドが強い と仮定してその時のみ、その方向にエントリーします。
この手法をひたすら繰り返した場合、勝てるのでしょうか?
前回は日足での資金効率が一番良かったので、日足にて移動平均線の角度の数値を変えながら検証します。
移動平均線の角度以外の条件は前回と同じにします。
2.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:日足
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/29)
[インジゲータ]
移動平均線(中期):期間複数
上記の条件にて検証します。
3.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
3−1.日足 移動平均線が0.030上がったら(下がったら)エントリー
以下の画像のように、日足に対して移動平均線が0.030の上昇や下落ではあまり縛りになってはいない。エントリーしまくっている。
しかしこの縛りの積み重ねで純益が大きく上昇した。
総取引数:1,111回 純益:611,500円 売りポジション勝率:46.79% 買いポジション勝率:49.05% 一回あたりの期待値:550.41円
3−2.日足 移動平均線が0.060上がったら(下がったら)エントリー
勝てる結果となったが、角度の縛りを強くしたら純益が落ちた。
そして勝率が上がるわけでなければ、期待値も落ちる。
総取引数:814回 純益:298,800円 売りポジション勝率:47.39% 買いポジション勝率:48.42% 一回あたりの期待値:367.08円
それなら、一つ目の検証について角度ではなく移動平均線のパラメータ(ローソク足直近何本分か)を変えるとどうだろう。
3−3.日足 移動平均線が0.030上がったら(下がったら)エントリー & 移動平均線は直近ローソク足10本分
上記検証では移動平均線を直近ローソク足20本で行ったが、10本に減らしてみる。
一気にマイナスに転じた!移動平均線の期間を短くするほうに変更してはダメだ!
総取引数:1,234回 純益:-284,800円 売りポジション勝率:45.25% 買いポジション勝率:47.12% 一回あたりの期待値:-230.79円
なら次は移動平均線の期間を増やす!
3−4.日足 移動平均線が0.030上がったら(下がったら)エントリー & 移動平均線は直近ローソク足50本分
上記検証では移動平均線を直近ローソク足20本→10本に減らしてダメだったので、次は50本に増やしてみる。
すると…純益が上がった!
総取引数:898回 純益:994,250円 売りポジション勝率:49.64% 買いポジション勝率:48.23% 一回あたりの期待値:1107.18円
それなら移動平均線の期間をもっと伸ばす!
3−5.日足 移動平均線が0.030上がったら(下がったら)エントリー & 移動平均線は直近ローソク足75本分
上記検証では移動平均線を直近ローソク足20本→50本に増やしたら純益が上がったので、次は75本に増やしてみる。
やはり勝てるが純益が落ちた。移動平均線の期間を伸ばせば伸ばすほど良いというわけではなさそうだ。
総取引数:878回 純益:640,200円 売りポジション勝率:45.77% 買いポジション勝率:47.80% 一回あたりの期待値:729.16円
4.追加検証
日足で10年間この手法を続けた場合の検証結果。
期間を伸ばしてもやはりパフォーマンスが高かった!!
しかしどの時間足でもそうだが、勝率は高くないことには留意しよう。
総取引数:1,828回 純益:1,880,750円 売りポジション勝率:35.27% 買いポジション勝率:40.64% 一回あたりの期待値:1028.86円
5.まとめ
・日足で移動平均線(50本)が0.30程度上がったら(下がったら)エントリーするのが一番パフォーマンスが高い。
・勝率は高くはない(もちろん期待値を信じて繰り返せばよい)。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。