今回は一目均衡表について、とある本に記載の手法を検証します。
それは一目均衡表の雲と基準線を使った手法です。
ローソク足の雲と基準線に対する位置関係でトレンドを判断し、押し目買いと戻り売りを狙うものです!
1.一目均衡表とは?
一目均衡表について簡潔に説明します。
字の如く、買いと売りのパワーの”均衡”が”一目”でわかるという意味でつけられたインジゲータです。
上昇や下降のトレンドの判断やトレンド転換の判断をつけるため等に使われるインジゲータです。
2.雲と基準線で押し目買いと戻り売りを狙う
本に記載の手法の説明をします。
この手法は4時間足と日足で行いメインの通貨ペアはドル/円だといいます。
まずはローソク足が雲と基準線に対してどの位置にあるかでトレンド判断をします。
具体的には、ローソク足が雲と基準線より上にあるなら上昇トレンド、下にあるなら下降トレンドと判断します。
そしてそれらの状態でローソク足が基準線で反発した状態が確定したら、エントリーします。ローソク足が確定する前にエントリーするとだましの可能性が高くなるといいます。
またエントリー後、ローソク足が基準線を逆方向にブレイクしたら利食いであれ損切りであれ決済します。
この検証を機械的に行うために筆者なりに以下のような具体的ロジックに落とし込んでみました。
以下の条件を全て満たしたら次の始値でロングエントリー! ※ショートエントリーの場合はこれの逆です。
①4つ前と3つ前のローソク足の終値が雲と基準線より上である。
②2つ前のローソク足が終値で基準線にタッチしている。
③1つ前のローソク足が終値で基準線より上で確定した(反発した)。
このサインの勝率や期待値はいかに!
検証してみましょう!
3.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:4時間足・日足
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/31)
[インジゲータ]
一目均衡表:転換線 9 基準線 26 先行スパン 52
※一目均衡表において一般的なパラメータです
上記の条件にて検証します。
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.4時間足
なんとなーく良い雰囲気ですね(笑)
しかし取引回数がすごく少ないんですよね。
総取引数: | 64回 |
純益: | 232,930円 |
売りポジション勝率: | 36.67% |
買いポジション勝率: | 11.76% |
一回あたりの期待値: | 3639.53円 |
4−2.日足
日足だと取引回数があまりに少なすぎますね…
それにしてもこの手法、勝率が低すぎませんかね。
総取引数: | 17回 |
純益: | 141,470円 |
売りポジション勝率: | 20.00% |
買いポジション勝率: | 28.57% |
一回あたりの期待値: | 8321.76円 |
本に記載のあったのは4時間足と日足でしたが取引回数が少なすぎました。
せっかくなのでもっと短い時間足でも検証してみましょう!
4−3.1時間足
微妙になりましたね…
総取引数: | 296回 |
純益: | -68,535円 |
売りポジション勝率: | 26.53% |
買いポジション勝率: | 24.16% |
一回あたりの期待値: | -231.54円 |
4−4.15分足
うん、ダメですね。
総取引数: | 1358回 |
純益: | -172,720円 |
売りポジション勝率: | 24.43% |
買いポジション勝率: | 25.04% |
一回あたりの期待値: | -127.19円 |
5.追加検証
今回一番パフォーマンスが高かった5分足での検証期間を延ばした結果。
ちょっと微妙ですね!勝つには勝ちましたが純益が小さいのと資金が右肩下がりになる時期もあります。
総取引数: | 3243回 |
純益: | 2,088,990円 |
売りポジション勝率: | 66.23% |
買いポジション勝率: | 67.46% |
一回あたりの期待値: | 644.15円 |
6.まとめ
優位性は多少あるのかもしれないが、そこまで頼りにはならなそう!
今回は本に記載の手法の検証をしましたが、結果としてはもう少しといったところでした。
しかし今回の手法をプログラムで機械的に検証するために、筆者が自分なりに具体的なロジックに落とし込んでいます。
つまり今回取り上げた本の作者のトレードを100%再現できているものではないことにはご留意ください。
引き続き一目均衡表の検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。