有名なオシレータ系のインジゲータにボリンジャーバンドやRSIがあります。
どちらも買われすぎや売られすぎを判断するテクニカル指標としてよく使われますが、この二つを組み合わせると逆張りの精度が上がるという話を聞きました。
今回はその真偽のほどを確かめるために検証をしてみましょう!
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
目次
1.ボリンジャーバンドとRSIとは?
ボリンジャーバンドとRSIは、ともに買われすぎや売られすぎを判断する指標になるインジゲータです。
この買われすぎや売られすぎを判断するインジゲータを”オシレータ系のインジゲータ”と表現します。
そしてそれぞれに一般的な見方があり、それは以下の通りです。
RSIが70以上 → 買われすぎ(売りのサイン)
RSIが30以下 → 売られすぎ(買いのサイン)
ボリンジャーバンドにおいては、3種類のバンドにローソク足が収まる確率が以下の通りとされています。
1σ(黄色の線):このバンド内に収まる確率は68.26%と想定される
2σ(緑色の線):このバンド内に収まる確率は95.44%と想定される
3σ(赤色の線):このバンド内に収まる確率は99.74%と想定される
この2つのテクニカル指標を組み合わせて逆張りした場合の検証をしてみましょう。
つまりは、RSIが30以下や70以上でローソク足がボリンジャーバンドにタッチしたら逆張りでエントリーするというわけです。
2.ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせで逆張り
図のようにエントリー条件と決済条件は以下の通りとします。
以下の条件を全て満たしたらエントリー。
①RSIが30以下である。
②終値がボリンジャーバンドの下2σにタッチした。
終値がボリンジャーバンドの上2σにタッチした。
3.検証条件
以下の条件にて検証します。
基 本 情 報 | |
通貨ペア | ドル/円 |
資金 | 100万円スタート |
取引ロット | 0.5 |
時間足 | 複数 |
スプレッド | 5 |
期間 | 過去5年(2014/1/1~2018/12/31) |
インジゲータ | |
ボリンジャーバンド | 期間:20 |
RSI | 期間:14 |
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.1分足
なんと、検証上かなり勝てることになった!
スキャルピングでこの手法は使えるのではないか!
短い時間足で勝てる手法は珍しいです!
総取引数: | 13,524回 |
純益: | 1,065,655円 |
売りポジション勝率: | 61.16% |
買いポジション勝率: | 65.10% |
一回あたりの期待値: | 78.80円 |
4−2.5分足
1分足よりさらに勝てる結果となった!
しかもかなりの右肩上がり!これはかなりすごいのではないか!
総取引数: | 2,686回 |
純益: | 1,852,370円 |
売りポジション勝率: | 60.92% |
買いポジション勝率: | 65.32% |
一回あたりの期待値: | 689.64円 |
4−3.15分足
1分足や5分足と異なり勝ち方が微妙になった。
上手く相場に乗れているときには、資金のグラフは山を作っているが谷になる期間との差が激しい。
総取引数: | 934回 |
純益: | 36,440円 |
売りポジション勝率: | 62.63% |
買いポジション勝率: | 65.53% |
一回あたりの期待値: | 39.01円 |
4−4.1時間足
1時間足でも少しだけ勝てた。
しかし実運用するには物足りなすぎる。
総取引数: | 268回 |
純益: | 41,380円 |
売りポジション勝率: | 60.28% |
買いポジション勝率: | 59.06% |
一回あたりの期待値: | 154.40円 |
4−5.4時間足
残念ながら4時間足では勝てないようだ。
総取引数: | 46回 |
純益: | -775,450円 |
売りポジション勝率: | 44.44% |
買いポジション勝率: | 64.29% |
一回あたりの期待値: | -16857.61円 |
5.追加検証
5分足でこの手法を10年間に延ばして検証した結果。
ほんとにビックリするくらいパフォーマンスが高い!
たった二つのインジゲータをシンプルに活用するだけでここまで結果が良くなるとは驚きである。
総取引数: | 5,334回 |
純益: | 3,311,105円 |
売りポジション勝率: | 62.58% |
買いポジション勝率: | 64.74% |
一回あたりの期待値: | 620.75円 |
6.この手法のポイント!エクスパンションを避けることができる!
この手法にはとても重要なポイントがあります。
ボリンジャーバンドのみで逆張りする人が必ず陥るのが、ボリンジャーバンドのエクスパンションで一気に損失を膨らませることです。
以下の図を見てください。
ボリンジャーバンド2σの中で上下に小さく動き続ける期間がありますが、ある時一気に下方向に落ちていっています。
このボリンジャーバンド2σの中で上下に小さく動き続ける状態をスクイーズ、その後一気にどちらかの一方向に動くことをエクスパンションと呼びます。
ボリンジャーバンドのみで逆張りをする人はこのエクスパンションの時に、それまでのスクイーズでコツコツ積み上げた利益を一気に吹き飛ばすのです。
しかし、逆張りの指標にRSIを加えることでこのエクスパンションを避けられるようになります。
たいていの場合、ボリンジャーバンドの数回の逆張りで得た利益よりもたった一回のエクスパンションで吹き飛ばす利益のほうが多いのです。
よって逆張りをするにあたり、このエクスパンションを避けることは非常に重要なのです。
7.まとめ
・5分足でのパフォーマンスがかなり高い!
・ボリンジャーバンドにRSIを加えることによりエクスパンションを避けることができる!
今回は筆者も驚くくらいパフォーマンスが高い手法でした。
ボリンジャーバンドにRSIを加えるだけでこうも結果が変わるとはとても驚きました。
FXを始めるとみんなやりたくなるのがボリンジャーバンドでの逆張りです。
しかしボリンジャーバンドのみでの逆張りは、勝率こそ高いものの上述の通りリスクも非常に高いです。
闇雲に取引をするのではなく、自分で検証をして手法を見極めることが非常に重要です。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。
はじめまして。
こちらの手法と【FX手法の検証】ボリンジャーバンド2σタッチ + RSI で逆張りした場合の勝率や期待値は!?
ではスキャルピング以外の何が違うのでしょうか??
15分の結果にも違いが見えるようですがなにが違うのかわかりません><
はじめまして。
ご指摘ありがとうございます。
記事の誤植でした!
「【FX手法の検証】ボリンジャーバンド2σタッチ + RSI で逆張りした場合の勝率や期待値は!?」のほうはRSIのパラメータが正しくは”24”です!
本ページのRSIは”14”です!
訂正いたしました!
コメントありがとうございます(^^)
初めまして。
スキャルピングを勉強していてこちらの記事にたどり着きました。
1つ教えていただきたいのですが、ストップや損切はどのような設定で検証を行われたのでしょうか?
初めまして!コメントありがとうございます!
利益確定も損切りも常に2σにタッチしたときとなっております!
FX初心者でいつもこのサイトで勉強させていただいています。
1つ質問なのですが、検証のスプレッド5とは5pipsにあたるのでしょうか?
コメントありがとうございます。
スプレッド5とは、0.005円とお考え下さい。
私が検証に使っているMT4というアプリでの表示に準じて”5”と記載しています。
「pips」で表現すると一般的には0.5pipsとなるかと思います。
余談ですが1pipsがいくらを表しているかはFX業者によって異なりますので、時として混乱するのでご注意ください。
例えば私が以前使用していたヒロセ通商においては1pipsは0.001円でした。
いつもお読みいただきありがとうございます。
お返事ありがとうございます!
本当にいつも勉強になることばかりで感謝しています!
今XM口座を使ってやっているので、スプレッド1.7pipsもあるので結果がかなり変わりそうですね…
海外業者でFXをしているなら、スキャルピングには不利ですね。
小さな利益をひたすら積み上げるわけなので、一回ごとに大きくスプレッドがかかると結果も大きく変わるでしょう。
国内業者においては、今やドル/円ではスプレッドが0.002円というのが標準になったのでその場合だと本ページの検証より小さいのですけどね。
XMのような国外FX業者のメリットは、なんといっても ⓵追証金が発生しないのと ⓶自動売買ができる ということですね。
特に自動売買ができることについては私はかなりのメリットだと考えてます(もちろんスキャルピングでは不利です)。
裁量で勝つというのは私たちが人間である以上かなり難しいことです。
すでにご存じかもしれませんが「プロスペクト理論」で調べていただければ理解できるかと思います。
感情を持っている人間が裁量で勝つとしたら「悟り」のようなものが必要です。
それが不要なので自動売買にはかなりのメリットがあると考えます。
やはりそうですよね…
追証がないのが特に安心できるので海外口座を使っていますが、スキャルピングは不利みたいなのでスプレッドの差がまだ出にくいパーフェクトオーダーの方でやってみたいと思います!
自動売買をできるほどのプログラミング知識がまだないので、相場の勉強もしつつしばらくは裁量でやってみようと思います。プロスペクト理論についてはパチンコなどで稼いでいたので多少の理解はあります。
いつもありがとうございます。また気になることがあったら質問させてください><
はじめまして。有益な情報ありがとうございます。
手元でも同じルールをMT5で実装して検証してみたのですが、5分足でこちらの結果と比較したところ、残念なことにきれいな右肩上がりの結果となりませんでした。
具体的には、2015/8-2017/7あたりで横ばいの状態が継続していました。
どうやら、MT5になってからスプレッドが手動で設定できず、ヒストリカルデータに含まれるBid/Askが使われるようになったのが原因のようです。
ヒストリカルデータを確認してみたところ、たしかに該当期間のスプレッドが10前後になっており、こちらの5スプレッドと比較すると不利な状態となっていました。
MT4/5でそういった違いがあることすら知らなかったので、検証してみて勉強になりました。
実際のトレードではスプレッドは状況に応じて変動するのでMT5のように実際の値を使ったほうが忠実な結果となる一方で、証券会社によってこのスプレッドは変わるので、どちらがより忠実かと言われると判断が難しそうですね。。
そして、ここから分かることとして、証券口座のスプレッド次第で結果が大きく変わってくるので要注意ですね。
はじめまして。コメントありがとうございます。
おっしゃる通りでスプレッドってかなり小さく見えますが、何度も取引を重ねていくとトータルで大きな影響を及ぼしますね。
スプレッド5と10の差では相当結果は変わってくると思います。
それは他の手法でもやはり同じですね。。
特に本記事のような、数をこなし決済幅の小さいスキャルピングではなおさらです。
業者によるスプレッドの差も大事ながら、さらには約定力や滑らないかもかなり大事だと思っています。