今回はとある情報源の手法を検証します。
ボリンジャーバンドのミドルラインでトレンドを判断した上での順張りと逆張り手法です。
デイトレードの場合は30分足を、スイングトレードの場合は4時間足か日足を使うとのことでした。
1.ボリンジャーバンドのミドルラインとは?
ボリンジャーバンドのミドルラインとは、以下の図の通りボリンジャーバンドの真ん中のライン(赤線)のことです。
これはミドルラインと表現されますが、実態は移動平均線です。
呼び方を変えているだけです。
ボリンジャーバンドについて言及する際にこのミドルラインは触れられないことも多いですが、バンド部分はこのミドルライン(移動平均線)を用いて算出されています。
ボリンジャーバンドは一般的に期間の設定は20か21ですが、これはバンド算出に使う移動平均線の期間ということです。
2.ミドルラインでトレンド判断し順張りと逆張り!
ショートエントリーの場合の例を以下に示します。
以下の条件を満たしたらエントリーします。
①ボリンジャーバンドのミドルラインが下向き。
②ローソク足がミドルラインを下にブレイク、もしくはミドルラインで反発して下降した。
※ロングの場合はこの逆です。
そして、以下の条件に当てはまったら決済します。
ローソク足がエントリーと逆方向に動き、ミドルラインをブレイクした。
※ロングの場合はこの逆です。
以下がエントリーと決済の例です。
ボリンジャーバンドのミドルラインの向きで方向性を確かめた上で、さらにその方向にミドルラインをブレイクや反発したらエントリーです!
このように聞くと勝てそうに聞こえます。
この手法を繰り返すと本当に勝てるのでしょうか?
検証してみましょう!
3.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:複数
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/29)
[インジゲータ]
ボリンジャーバンド:期間 21
上記の条件にて検証します。
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.30分足
清々しいほどの右肩下がり…
総取引数:2,675回 純益:-800,600円 売りポジション勝率:20.01% 買いポジション勝率:50.27% 一回あたりの期待値:-299.29円
4−2.4時間足
やや勝ったが、これでは実用に堪えない。
そしてトレンドに沿ってるつもりなのに、勝率がやたら低いのだが。
総取引数:927回 純益:141,200円 売りポジション勝率:23.89% 買いポジション勝率:44.35% 一回あたりの期待値:152.32円
4−3.日足
上二つと違ってこれはいい感じ。
中盤から資金が右肩上がり!
総取引数:202回 純益:727,550円 売りポジション勝率:30.56% 買いポジション勝率:45.45% 一回あたりの期待値:3601.73円
5.追加検証
日足で10年間この手法を続けた場合の検証結果。
一気に微妙になった!一つ上でのいい感じに見えた資金推移はたまたま良い期間であっただけなのか!
総取引数:386回 純益:551,150円 売りポジション勝率:32.19% 買いポジション勝率:45.71% 一回あたりの期待値:1427.85円
6.まとめ
・日足だとやや優位性あり。
・しかし十分な優位性とは言えない。
今回はとある情報源にあった手法を検証してみましたが、いまいちな結果でした。
私がいつも言うことですが、やはり世の中にでてる手法を鵜呑みにして実行することは危険です。
もっと言うと、少しの検証だけで実行することもNGです。
今回のようにある期間は優位性があるように見えても、別な期間では全然勝てないことも多々あるのがFXです。
しかしながら、ボリンジャーバンドとミドルラインを活用した優位性のある手法は他にあるかもしれません。
引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。