「マーチンゲール法って何?」
「マーチンゲール法は無敗の投資手法と聞いたが本当か?」
この記事はこんな疑問をもった読者向けに書いています。
マーチンゲール法の基本~実行するとどうなるかのシミュレーション結果まで示します。
マーチンゲール法は“無敗”の手法とも言えますが、リスクもあります。
正しく理解して使用しましょう。
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
目次
1.マーチンゲール法とは
ギャンブルで使われる手法にマーチンゲール法というものがあります。
これは賭けに負けたら次はその倍の金額を賭ける。
それも負けたら次はそのさらに倍の金額を賭け、それも負けたならそのさらに倍の金額を…という手法です。
どれだけ連敗しても最後に一回勝てば負けを全部取り返せるという手法で、資金が尽きない限り理論上負けることは無いと言われる手法です。
勝ったら次はまた最小の賭け金に戻して同じことを繰り返します。
掛け金が1,000円スタートの場合、イメージ的には以下のようになります。
回数 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 |
賭け金 | 1,000円 | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 |
結果 | 負け:-1,000円 | 負け:-2,000円 | 負け:-4,000円 | 負け:-8,000円 |
合計 | -1,000円 | -3,000円 | -7,000円 | -15,000円 |
回数 | 5回目 | 6回目 | 7回目 | 8回目 |
賭け金 | 16,000円 | 1,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
結果 | 勝ち:+16,000円 | 勝ち:+1,000円 | 勝ち:+1,000円 | 勝ち:+1,000円 |
合計 | +1,000円 | +2,000円 | +3,000円 | +4,000円 |
これを見てわかる通り、マーチンゲール法では常に利益は最小の賭け金分となります(この例でいうと1,000円)。
マーチンゲール法は勝つときは常に最小の賭け金分勝つ。
2.FXでマーチンゲール法をするメリット
マーチンゲール法は資金が続く限り必ず勝てる魅力的な手法です。
ここではマーチンゲール法のメリットを2点お伝えいたします。
2-1.最後に一回だけ勝てばよい
上で説明した通り、マーチンゲール法はどれだけ連敗しても最後に一度だけ勝てばプラスになります。
多くの場合、FXで勝つ時の利幅や負けるときの損切り幅はまちまちであったり、取引ロット数が毎回同じくらいです。
そうすると連敗したとき、最後の一回勝てばその負けを取り戻せるかというとそうはいきません。
2-2.最後まで負け続ける確率は低い
マーチンゲール法は資金がなくなったらそこで終了です。
しかしある程度の資金を確保しておけば、最後までひたすら負け続ける確率は非常に低いです。
仮に勝率が50%なのだとすると、5連敗する確率は1/32です。
10連敗なら1/1024です。
資金がショートするまでひたすら負け続ける確率というのは非常に低いことがわかります。
3.FXでマーチンゲール法をするデメリット
魅力的なマーチンゲール法ですが、デメリットもあります。
それも絶対に見過ごすわけにはいかないデメリットです。
マーチンゲール法を実行する場合、必ずここで示す2点のデメリットを理解した上で実行しましょう。
3-1.資金がたくさん必要
マーチンゲール法は負けるごとに賭け金を倍にしていかなければなりません。
最初の例の通り1,000円スタートで10連敗までいくとどうなるか見てみましょう。
1連敗 | -1,000 |
2連敗 | -2,000 |
3連敗 | -4,000 |
4連敗 | -8,000 |
5連敗 | -16,000 |
6連敗 | -32,000 |
7連敗 | -64,000 |
8連敗 | -128,000 |
9連敗 | -256,000 |
10連敗 | -512,000 |
合計 | -1,023,000 |
この通り10連敗する場合、失う金額は100万円以上です。
最初の賭け金が少なくとも、それなりに資金を用意しておかなければいけないことがわかります。
3-2.どこかですべてを失いかねない
マーチンゲール法を続けると、ある時一気にすべてを失いかねません。
勝率50%の勝負で10連敗するなんてまず起こらないと思いますか?
たしかにほとんど起こりません。
なにせその確率は1/1024ですから。
しかし延々とその勝負をひたすら繰り返し続けると、どこかでそのもしものタイミングがきてしまいます。
確率は0じゃないのですから起こりえるのです。
それはあなたがFXをやってる間はこないかもしれません。
しかし運悪く明日かもしれません。
4.FXでマーチンゲール法を検証
FXでマーチンゲール法を行うならば利食いと損切りの幅を1:1にし、取引ロットを負けるごとに倍にしていき勝つまでそれを続けるということです。
FXにおいては価格が上がるか下がるかしかなく、ということは確率は50%なはずです。 ※正確には取引ごとにスプレッドがかかるので少しだけ不利。
確率が50%なら連敗する可能性はあるといえど、ある程度の資金を用意しておけば破産する前にどこかでは勝って振り出しに戻れるんじゃないか!?
それを繰り返せば安全に資産運用できるのか!?
ってことで検証してみました!
今回は以下のやり方で検証します。
ポジションを持っていなかったら、どんな場面でもロングかショートですぐにエントリーする!
※負ける度にロットを倍にしていくので、スタートは最小の0.01ロットから!
利益確定も損切りも常に50pips(0.500円)!
果たしてマーチンゲール法は安定した手法なのか!
5.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.01
時間足:複数
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/29)
[インジゲータ]
なし
上記の条件にて検証します。
6.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
6−1.ロングエントリーのみ繰り返す!
なんと、ものすごくきれいな右肩上がり!
勝つときは常に500円のプラスであり、大きく稼げるわけではないがもしかしてこの手法は本当に安定しているのか!?
総取引数:839回 純益:214,538円 売りポジション勝率:0% 買いポジション勝率:50.66% 一回あたりの期待値:255.71円
6−2.ショートエントリーのみ繰り返す!!
なんと!買いのみのエントリーの場合と異なり、あっという間に資金不足(証拠金不足)でエントリーできなくなった!
上昇相場に入ってからも、ひたすらショートでエントリーしたことで連敗しすぎたことが原因だ!
総取引数:70回 純益:-115,309円 売りポジション勝率:42.03% 買いポジション勝率:0% 一回あたりの期待値:-1647.27円
なるほど、トレンドがでている時にその方向とは逆方向でエントリーし続けることで破綻した。
ならば、売りと買いを交互にしてひたすらエントリーしたらどうか!
それならばトレンド相場でも致命的な連敗を繰り返すことはないのではないか!!
6−3.ショートとロングを交互に繰り返す!!
後半まできれいな右肩上がりだったのに、最後の最後で連敗しまくり一気に資金不足(証拠金不足)でストップ!
総取引数:540回 純益:10,552円 売りポジション勝率:48.15% 買いポジション勝率:53.70% 一回あたりの期待値:19.54円
ならばならば!資金を100万円スタートではなく200万円スタートにしてみてはどうか!
200万円もあれば資金不足(証拠金不足)にならずにエントリーし続けられる!?
7.追加検証
資金を200万円スタートにして、この手法を10年間続けた場合の検証結果。
今回はどうにか資金不足(証拠金不足)にならずに最後までいけた。
しかし、以下の図で○を付けた個所に着目してほしい。
連敗を重ねて資金が大きくマイナスになっている箇所がある。
次の一回で勝ってそのすべてを取り戻しているが、こういう致命的な連敗もどこかで起こりえることは今回の検証でわかりますね。
総取引数:837回 純益:211,428円 売りポジション勝率:49.76% 買いポジション勝率:51.55% 一回あたりの期待値:252.60円
8.マーチンゲール法との付き合い方
上の検証結果を見ると、マーチンゲール法はほとんどの場合勝てる反面、ずっと繰り返し続けるとどこかで致命的な連敗のタイミングにあたりかねないことがわかります。
よってマーチンゲール法を使うなら、必ず以下の2点を守るべきです。
- 失ってもよい資金で行うこと。
- 引き際をわきまえること。
失ってもよい資金で行うべきとはFX全般に言えることですが、マーチンゲール法においては特に重要です。
というのも上で見たように、致命的な連敗のタイミングでそのすべてを失うからです。
次に引き際をわきまえるとは、致命的連敗で資金を失う前に引くのはもちろんのこと、仮に資金がショートするまで連敗してしまった場合に追加入金して勝負を続けようなんて思わないことです。
その次の勝負も運悪く負けたなら、莫大な損失を被るはずです。
9.まとめ
- マーチンゲール法は無尽蔵に資金があるならば、理論上必ず勝てる。
- しかし致命的な連敗をする時がいつかくる。
- 失ってもよい金額で行い、引き際をわきまえるべし。
一見安定した手法に思えるマーチンゲール法ですが、こうやって検証をしてみるとリスクも意外と大きいことがわかります。
安易に手を出すべきではないと言えるでしょう。
実行する場合、失ってもよい金額で引き際をわきまえることは絶対に守るようにしましょう!
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。