以前に以下の二つの検証をしました。
①【検証】FXチャートで陽線と陰線の本数に偏りが出る期間はあるのか
結果として、どちらの検証においても偏りはないという検証結果になりました。
今回はさらにスポットで考えてみましょう!
具体的には、ボリンジャーバンドの2σにタッチした次のローソク足では反発している割合が多いのではないか?
もしそうなら、その一本分のみに賭け続けたらトータルで勝てるのか!?
という検証です!
目次
1.ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドについて簡潔に説明します。
以下の図を見てください。
ローソク足を覆っているバンドが3つあります(真ん中の赤線は移動平均線です)。
それぞれがボラリティー(過去の値動きから算出した想定される値幅)を表しており、一般的な見方は以下の通りです。
ボリンジャーバンドにおいては、3種類のバンドにローソク足が収まる確率が以下の通りとされています。
1σ(黄色の線):このバンド内に収まる確率は68.26%と想定される
2σ(緑色の線):このバンド内に収まる確率は95.44%と想定される
3σ(赤色の線):このバンド内に収まる確率は99.74%と想定される
つまり、上述したようにボリンジャーバンドにローソク足がタッチしたら、次のローソク足は反対方向に反発することが多いのではないか?というわけです。
2.検証
今回はエクセルで検証します。
ボリンジャーバンドにも当然計算式はあるので、エクセルで計算して算出することはできるわけです。
筆者がたまたま持っている15分足のチャートデータで検証します。
期間は2019/1/17~2020/2/24です。
※ボリンジャーバンドのパラメータは20です。
2−1.ボリンジャーバンドの数値を算出
まずは、エクセルに数式を入れてH列にボリンジャーバンドの上2σ、I列に下2σの数値を算出しました。
2−2.ボリンジャーバンドにタッチした次のローソク足が陽線か陰線か判定
J列で上2σに終値でタッチしたかどうか、L列で下2σに終値でタッチしたかどうかの判定をしました。
そしてそれぞれの横で、その次のローソク足が陽線なのか陰線なのかの判定をしました。
それではこれを集計してみましょう!
2−3.陽線と陰線の本数の集計
集計結果は以下の通りとなりました。
想定したほどではないですが、やや偏りがありますね。
組み合わせ | 数 |
上2σにタッチ → 陰線 | 460 |
上2σにタッチ → 陽線 | 348 |
下2σにタッチ → 陽線 | 432 |
上2σにタッチ → 陰線 | 371 |
それでは、この偏りにひたすら賭け続けたらトータルで勝てるのでしょうか?
この偏りはあくまで陽線と陰線の出現本数の偏りなので、ローソク足の長さの偏りはまだわかっていません。
つまり、ボリンジャーバンドの2σにタッチ後に反発することが多くてもその場合のローソク足が短く、タッチ後に反発せずにそのまま突き抜けた場合のローソク足が長いのであればトータルでは損のほうが大きいことになってしまいます。
2−4.陽線と陰線の本数ではなく利益(損失)を集計する
本数の下に、何円分勝てるか(負けるか)集計結果を出してみました。
ほんとに少しだけしか勝てないようです。
組み合わせ | 何円分勝てるか(負けるか) |
上2σにタッチ → 陰線 | 13.327 |
上2σにタッチ → 陽線 | -12.254 |
下2σにタッチ → 陽線 | 14.271 |
上2σにタッチ → 陰線 | -13.459 |
ここで忘れていけないのはスプレッドの存在です。
ドル/円の現在の業界の最低水準である0.002円として計算しなおしてみましょう。
結果は…スプレッドを考えると優位性がないどころかやや負けることになるようです、残念。
組み合わせ | 何円分勝てるか(負けるか) |
上2σにタッチ → 陰線 | 12.421 |
上2σにタッチ → 陽線 | -12.964 |
下2σにタッチ → 陽線 | 13.416 |
上2σにタッチ → 陰線 | -14.210 |
3.まとめ
・ボリンジャーバンドの2σタッチ後の次のローソク足は反発しやすい傾向はある。
・しかし、それ以上に反発しなかった場合の損が大きいため優位性はない。
2σタッチでの逆張りエントリーと反対側2σへのタッチで決済というのは勝てないということはわかっていました。
しかしタッチ後の次の一本だけならもしかしたら優位性があるかもしれないと思い今回の検証をしてみましたが、優位性はやはりなかったようです。
もしかしたらボリンジャーバンド以外のテクニカル指標において、同じような検証で優位性を見出せるかもしれません。
引き続き検証します。
※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。