今回もとある本に記載のATRと一目均衡表を使った手法の検証をします。
それは一目均衡表の雲でエントリーをし、ATRで決済をするやり方です。
目次
1.一目均衡表の雲とは
まずは今回の手法に使うインジゲーターである一目均衡表の雲とATRについて説明します。
一目均衡表の中の一つの要素である雲は、ローソク足のサポートラインやレジスタンスラインになると言われています。
またこの雲をローソク足が突き抜けたら、その方向にトレンドが転換するシグナルとも言われます。
2.ATRとは
一般的にはATR(Average True Range)はあまり馴染みのないインジゲータかもしれません。
ATRは一定期間の値動きの平均をとったものです。
つまりATRの数値が大きい=ボラリティが大きいと言えます。
注意点としては上昇トレンドであれ下降トレンドであれ、値動きが大きくなっているならATRは上昇します。
3.ローソク足が雲を抜けたらエントリー!エントリー時のATRの2倍の値幅で決済!
手法の説明をします。
この手法は1時間足で行い、通貨ペアに縛りはありません。
ローソク足の実体が雲を完全に抜けたら、その方向に次の始値でエントリーします。
※ただし雲の幅がほとんどない場合はエントリーは見送ります。
そしてその時のATRの2倍の数値だけ値段が動いたら、利食いであれ損切りであれ決済します。
具体的には以下のようにします。
以下の条件を両方満たしたらエントリーします。
①ローソク足の実体が雲を完全に抜けた。
②その時の雲の幅が0.050円以上である。
この手法の勝率や期待値やいかに!
検証してみましょう!
4.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:複数
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:1時間足
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/31)
[インジゲータ]
一目均衡表:転換線 9 基準線 26 先行スパン 52
ATR:期間 14
上記の条件にて検証します。
5.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
5−1.ドル/円 1時間足
トータルで勝ってますが、資金の増減が激しくてこのままだとちょっと使えないですね。
総取引数: | 548回 |
純益: | 277624.50円 |
売りポジション勝率: | 51.92% |
買いポジション勝率: | 52.49% |
一回あたりの期待値: | 506.61円 |
5−2.ユーロ/円 1時間足
んんんん、ユーロ/円では全然ダメですね。
総取引数: | 302回 |
純益: | -771,625円 |
売りポジション勝率: | 47.89% |
買いポジション勝率: | 43.75% |
一回あたりの期待値: | -2555.05円 |
5−3.ポンド/円 1時間足
他の二つよりは勝ててますね。
しかしポンド/円は値動きがえげつないので手を出すのはこわい(笑)
総取引数: | 554回 |
純益: | 949,270円 |
売りポジション勝率: | 53.98% |
買いポジション勝率: | 48.68% |
一回あたりの期待値: | 1713.48円 |
5−4.ユーロ/ドル 1時間足
結果はやや負け。使えないっす。
総取引数: | 578回 |
純益: | -82484.52円 |
売りポジション勝率: | 50.00% |
買いポジション勝率: | 50.00% |
一回あたりの期待値: | -142.71円 |
5−5.ポンド/ドル 1時間足
これは話になりませんね。
総取引数: | 378回 |
純益: | -664,251円 |
売りポジション勝率: | 46.73% |
買いポジション勝率: | 44.69% |
一回あたりの期待値: | -1757.28円 |
6.追加検証
今回一番パフォーマンスが高かったポンド/円での検証期間を延ばした結果。
なんと、速攻で資金がショートしました!
やはりポンド/円ってこわい!
総取引数: | 19回 |
純益: | -473,220円 |
売りポジション勝率: | 23.08% |
買いポジション勝率: | 50.00% |
一回あたりの期待値: | -24906.32円 |
7.まとめ
この手法に優位性はない!
今回初めてATRを使用した検証であったが、残念なことに芳しい結果ではなかったです。
通常ATRは単体で使うことがないので、今回のように他のインジゲータと組み合わせることが多くなります。
実は筆者自身もATRを検証したことはあまりないため、その潜在能力を今後も検証していきたいと思います。
※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。