前回は、大きく上げた(下げた)次のローソク足の傾向の検証をした。
結果としては、大きく上げた(下げた)次は反発することがやや多いという検証結果になった。
参考:FXチャートで大きく上げた(下げた)次のローソク足に傾向はあるのか
ということは、その反発に賭け続ければトータルで勝てるのではないか!?
検証してみよう。
目次
1.大きく上げたら次のローソク足の始値でショート!大きく下げたら次のローソク足の始値でロング!
以下の例を見てください。
一本大きく下げたローソク足があります。
このようなローソク足が出現したら、次のローソク足の始値でロングする!ショートの場合はその逆です!
これを時間足やどれだけ下がったら(上がったら)ロング(ショート)するかの数字を変えながら検証していきます。
2.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:複数
スプレッド:5
利益確定:エントリーしたローソク足の終値で決済
損切り:エントリーしたローソク足の終値で決済
検証期間:5年 (2014/1/1~2018/12/28)
[インジゲータ]
なし
上記の条件にて検証します。
3.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
3−1.15分足で0.050円下げたら次の始値でロング!上げたら始値でショート!
これは前回の検証で使用した条件です。
前回の検証通り大きく動いた次のローソク足の反発に賭け続けたら勝てるのだろうか。
結果は…
あれれ…
総取引数:4,690回 純益:-812,150円 売りボジション勝率:48.85% 買いポジション勝率:53.33% 一回あたりの期待値:-173.17円
前回の検証結果とは異なり、反発する確率には全然傾向が見られない(50%前後)。
勝率が50%程度ということは、仮に長い期間で見た時には(上昇トレンドも下降トレンドもレンジ相場も全て包括すると)出現する陽線の長さも陰線の長さも平均的には同じくらいになるので、スプレッド(手数料)がかかれば必ず負けることになる。
試しにロジックを逆にして(大きく上げたローソク足が出現したらロング!大きく下げたローソク足が出現したらショート!)検証してみたがやはり右肩下がりであった。
逆のロジックにしても勝率はほぼ50%程度になるのだから当たり前ですね。取引にスプレッド(手数料が)かかる以上、勝っても負けても同じ金額を得るか失うならスプレッド分必ず負けます。
一応、時間足と大きく上げた場合と下げた場合の値幅を変えて検証してみよう。
3−2.1時間足で0.300円下げたら次の始値でロング!上げたら始値でショート!
結果はやはり同様。
運よく相場の流れに乗れて資金が増える期間もあるが、結局下降していく。
総取引数:867回 純益:-296,400円 売りボジション勝率:50.88% 買いポジション勝率:55.74% 一回あたりの期待値:-341.87円
一応、さらに値幅を大きくして検証してみる。
3−3.1時間足で0.700円下げたら次の始値でロング!上げたら始値でショート!
結果は予想通りである。
総取引数:62回 純益:-323,050円 売りボジション勝率:50.00% 買いポジション勝率:41.67% 一回あたりの期待値:-5210.48円
どうやら前回の検証結果は、たまたま偏りが出る期間であっただけで、もっと長期で見ると偏りなんてなさそうだ。
4.まとめ
・大きく上げた(下げた)ローソク足の次のローソク足が陽線が出やすいか陰線が出やすいかの傾向はほぼない。
・勝った時に得る金額と、負けた時に失う金額が同じならば勝率50%ではスプレッド(手数料)分必ず負ける。
よって前回の検証記事は修正する。
FXチャートで大きく上げた(下げた)次のローソク足に傾向はあるのか