今回は一見RSIに似たインジゲータであるストキャスティクスの一般的な手法の検証をします。
つまりは、以下の一般論の検証です。
●ストキャスティクスの%K線が%D線を80以上のエリアで下抜けたなら売り
●ストキャスティクスの%K線が%D線を20以上のエリアで上抜けたなら買い
目次
1.ストキャスティクスとは?
ストキャスティクスとは、売られすぎや買われすぎを判断する指標になるインジゲータです。
ストキャスティクスが20以下になると売られすぎ、80以上になると買われすぎと判断できるというのがストキャスティクスの一般論です。
この売られすぎや買われすぎを判断するインジゲータは”オシレータ系のインジゲータ”とよく表現されます。
RSIやボリンジャーバンドもストキャスティクスと同じ”オシレータ系のインジゲータ”です。
※以下の図ではストキャスティクスの最大値が105、最小値が0となっていますがこれらの数値は場面によって変化します。
2.ストキャスティクスで一般的な逆張りの方法とは?
上述の通り、ストキャスティクスは一般的に以下のように説明されます。
●ストキャスティクスの%K線が%D線を80以上のエリアで下抜けたなら売りのシグナル!
●ストキャスティクスの%K線が%D線を20以上のエリアで上抜けたなら買いのシグナル!
よって今回はこれをひたすら交互に繰り返します!
以下の図のようにエントリーと決済をひたすら繰り返した場合に、勝率や期待値はどのようになるのでしょうか!?
3.検証条件
以下の条件にて検証します。
基 本 情 報 | |
通貨ペア | ドル/円 |
資金 | 100万円スタート |
取引ロット | 0.5 |
時間足 | 複数 |
スプレッド | 5 |
期間 | 過去5年(2014/1/1~2018/12/31) |
インジゲータ | |
ストキャスティクス | %K:5 %D:3 ※ストキャスティクスにおいて一般的なパラメータです。 |
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.15分足
終わってる。
2014/12で資金がショート。一年ともたなかった。
総取引数: | 412回 |
純益: | -761,100円 |
売りポジション勝率: | 53.40% |
買いポジション勝率: | 58.74% |
一回あたりの期待値: | -1847.33円 |
4−2.1時間足
おおお!1時間足にしたとたん勝てるようになった!
とりあえずこの5年間で見た感じは悪くない!
総取引数: | 572回 |
純益: | 716,600円 |
売りポジション勝率: | 61.54% |
買いポジション勝率: | 62.24% |
一回あたりの期待値: | 1252.80円 |
4−3.4時間足
うむ、4時間足では駄目なようだ。
総取引数: | 72回 |
純益: | -779,850円 |
売りポジション勝率: | 61.11% |
買いポジション勝率: | 61.11% |
一回あたりの期待値: | -10831.25円 |
5.追加検証① 1時間足で期間を10年間に伸ばして検証
追加検証として、1時間足でのこの手法の期間を10年に伸ばしてみた結果。
なんと前半かなり良い感じに資金を伸ばしたかと思いきや、その後資金は右肩下がりで2013/6にショートしました。
ストキャスティクス単体ではどの相場でも通用するわけではないのでしょうか。
総取引数: | 444回 |
純益: | -801,350円 |
売りポジション勝率: | 59.91% |
買いポジション勝率: | 59.91% |
一回あたりの期待値: | -1804.84円 |
しかし、この検証をしていてふと思いました。
決済の時まで%K線と%D線のクロスまで待っていては、せっかくの含み益を目減りさせて決済してしまっているのではないか?
せっかくなのでこのまま追加で検証してみましょう!
エントリー条件は同じ、しかしショートの場合%K線が20以下となったら決済!ロングの場合%K線が80以上になったら決済!これで検証しましょう!
6.追加検証② ロングの決済:%K線が80以上 ショートの決済:%K線が20以下 とする
今回は最初から10年間で検証してみます!
検証結果やいかに!
6−1.15分足
はいきた!!
エントリーも決済も両方を%K線と%D線のクロスで行う場合と異なり一気に勝てるようになった!
決済条件を少し変えるだけでこうも変わるのですね!
総取引数: | 7,701回 |
純益: | 959,000円 |
売りポジション勝率: | 64.79% |
買いポジション勝率: | 65.79% |
一回あたりの期待値: | 124.53円 |
6−2.1時間足
資金のアップダウンが激しいが1時間足でも結果勝てることになった。
資金がショートせずにしかもプラスで終えてるのだから大きな前進である。
総取引数: | 1,902回 |
純益: | 696,300円 |
売りポジション勝率: | 61.75% |
買いポジション勝率: | 68.07% |
一回あたりの期待値: | 366.09円 |
6−3.4時間足
残念ながら4時間足では資金がショートした。
15分足での実行が一番パフォーマンスが高いようだ!
総取引数: | 203回 |
純益: | -809,300円 |
売りポジション勝率: | 62.16% |
買いポジション勝率: | 61.96% |
一回あたりの期待値: | -3986.70円 |
7.まとめ
ストキャスティクスの%K線と%D線のクロスでエントリーする場合、決済においては%K線と%D線の逆のクロスを待たないほうが良い!
%K線が20以下や80以上になった時点で決済するほうが期待値が高い!
今回は決済のタイミングを変更するだけで一気に勝てる手法に変化した!
これに他のテクニカル指標を組み合わせるなどしてブラッシュアップする余地もあるのではないだろうか!
また今回の検証結果から考えるに、ストキャスティクスを他の手法における利食いのシグナルとして使えるのではないかという仮説もたった。
引き続き検証を続ける。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。