このサイトは過去の相場を検証することによって有用な手法を見つけ出すことを目的にしています。
しかしFXのバックテストをすることについては、否定的な意見もあります。
今回はそれについて考察してみます。
目次
1.MT4によるバックテストとは
MT4というアプリによって、過去の相場のデータを使った検証を行うことをバックテストと呼びます。
まずはこれについて解説します。
1−1.MT4
MT4とは正式名称を「Meta Trader4」といい、MetaQuotes社によって開発されたアプリです。
海外のFX業者で多く採用され、口座開設時に同時にインストールをしそのアプリの中でトレードを行います。
そればかりか、このアプリは過去のチャートデータを使用してFXの各手法の検証することができます。
過去にその手法を実行し続けていたら結果としてどうなっていたのかがわかるのです。
そして過去の検証の結果として有用だと思われる手法を見つけたら、それをMT4の中で自動売買のプログラムとして実行できるのです。
これに関しては、以下の記事で言及しておりますので併せてご参照ください。
1−2.過去のチャートデータ
上記MT4にて検証に使う過去のチャートデータは最初からMT4に入っているわけではありません。
FX業者によっては過去のチャートデータを無料で提供してくれていますので、そういったデータをMT4に取り込んで使います。
以下のようなページで提供されています。
https://www.fxddtrading.com/bm/jp/resources/mt4-one-minute-data
こういった過去のチャートデータは100%正確なわけではありません。
しかし目安にはなるでしょう。
実際にその過去のデータをチャートで見てみると、きちんとチャートとしての形を成していることがわかると思います。
2.バックテストに対する反論
バックテストに対する反論として以下のものがあります。
「過去はあくまで過去であるので未来を保証するものではない。だからバックテストに意味はない。」
この意見について筆者は半分賛成で半分反対です。
これについて記載します。
2−1.過去はあくまで過去である
過去はあくまで過去であり未来のことはわからない。
これは紛れもない事実でしょう。
我々トレーダーも経済の専門家も誰にも未来の相場がどうなるかはわからないのです。
経済の専門家が今後の相場を予想しているような記事は昔からずっと生み出されておりますが、専門家たちですらその予想のかなりを外しています。
相場は常に不確実性を内包しており、FXを行う誰もがその中で勝負をすることになるのです。
筆者は本サイトでFXの有用な手法を見出そうとしていますが、同時に相場は水物なこともまた事実であると思っています。
相場の未来は神のみぞ知るのです。
では相場が水物だと考えていながらなぜFXを行っているのか、それについては後述します。
2−2.過去の検証に意味はないのか
過去を検証しても未来の相場はわからないというのは上述した通りです。
では過去の検証に意味はないのでしょうか。
いや、そんなわけはありません。
考えてみてください。
世界中のトレーダー達が持ち得る唯一の武器とは何でしょうか。
それは「過去」です。
全てのトレーダーは過去の情報を見て売買を行っているのです。
不確実な相場の世界でその過去の情報をもって判断し、売買しているのです。
チャートは過去の投資家たちの足跡であり、そこに投資家たちの心理状態が現れた結果なのです。
我々は誰しもが「過去」を見てトレードをしています。
その誰もが見る「過去」を検証し、各局面における偏りを見出そうというのは決して意味のないことだとは言えないでしょう。
3.聖杯は存在するのか
比喩としての「聖杯」というものを知っていますか?
投資の世界において必勝法のことを「聖杯」と表現します。
これが存在するかというと、筆者は聖杯は存在しないと考えます。
常に不確実性を孕む相場の中で、永遠に勝ち続ける手法を見つけようという方が無理があると言えるでしょう。
未来がわからないのだから、未来永劫勝ち続ける手法を見つけられるわけがありません。
どんな手法にも終わりがくる可能性は必ずあり、できることはあくまで相場の中での”傾向”を見出すことに他なりません。
敢えて言うならば、この「聖杯」に近づける努力こそが過去の検証なのです。
不確実性を孕む相場の中で、どこまで普遍性を持ち長生きできるかの勝負なのです。
4.最後に私たちがすべきこと
永遠に勝ち続ける手法などなく、それに近づける努力こそが過去の検証であることは先述の通りです。
その努力をしても100%のものにはなり得ません。
どこかで負ける時がやってくる可能性はあります。
あなたがFXをやっている間には訪れないかもしれません。はたまた運悪く明日かもしれません。
どこまでいっても常に不確実性の中で勝負をし続ける私たちが最後の最後にすべきことは何でしょうか。
それは諦めることです。
相場の中で長く生き残る努力をし、それでも運が悪く口座がショートするようなタイミングに当たってしまった場合我々がすべきことは諦めることです。
もがいてはいけません。
熱くなればなるほど事態は悪化します。
その諦めるタイミングは、口座資金の半分を失うときかもしれないし全てを失うときかもしれません。
その諦めるべきタイミングがくるかもしれないリスクがあるからこそ、我々は大きなリスクをとって勝負してはいけません。
大きなリスクをとるとは、それを失ったら生活が立ち行かなくなるような資金を口座に入れてFXを行うことです。
過去を検証し相場の中で利益を上げながら長生きすることを目指した結果として勝って終えられたなら、それはもちろん喜ばしいことです。
しかしどこまでいっても、必ず負けるリスクは持っているということを忘れてはいけません。
5.まとめ
投資家たちが唯一持てる武器は過去の情報です。
過去のチャートは先人たちの足跡であり人間心理が反映された結果なのだから、その過去を検証することに意味はあります。
相場は不確実なものですが、そんな中で偏りを見つけ利益を上げながら極力長生きをすることを目指すべきです。
そして万が一の時に当たってしまったら最後にとるべきは諦めることです。
そこで潔く諦めることで、再起するチャンスが残されることになるのです。