今回はとある相場の格言の検証をします。
それは「落ちてくるナイフは掴むな。」です。
急落している相場において買いでエントリーすることは、まるで落ちてくるナイフを手で掴もうとするかのごとく危険であることを表現した格言です。
下がる時は一瞬で大きく下げ、逆に上がるときは時間をかけて上がるということです。
これが本当なら、上げ相場と下げ相場において適切な順張り・逆張りのタイミングがつかめるかもしれません。
検証してみましょう。
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
目次
1.相場の格言「落ちてくるナイフは掴むな」について
先述の通り、急激な下げ相場において買いでエントリーすることの危険性を表した相場の格言です。
これに似た格言に「上げ百日、下げ三日」というものもあります。
いずれも下げるのは早く、上げるのはゆっくりであることを表しています。
急激な下げ相場でここが底値だろうと考え慌てて買いでエントリーすると、手をナイフに切り裂かれるかのごとく大きな痛手を負いかねないのだそうです。
これが本当なのだとすると、下げ相場と上げ相場においてそれぞれ底値、もしくは天井だと判断するタイミングがあるのではないかと想像します。
もしその傾向を見出せるのであれば、FX取引において取引材料の一つになるかもしれません。
是非検証してみましょう!
2.一日あたりの陽線と陰線の長さを数え集計する
今回は2015/12~2020/12のおおよそ1300本の日足データをExcelで用意しました。
これを用いて陽線と陰線の長さを集計してみたいと思います。
もし下げるときの方が一瞬で上げるときがゆっくりなのであれば、大きな陽線より大きな陰線の方が多くなると思いませんか?
ということで集計しました!
2−1.各日足の陽線と陰線の判定をし長さを算出する
以下のようにA列~E列に日足データを用意しました。
また、F列で陽線か陰線かの判定をしG列にその長さを算出しました。
これらを集計した時に、陽線より陰線の方が長いことが多いのではないか?というのが仮説です。
落ちるときの方が早いのならそうなりますよね?
2−2.陽線と陰線の長さの平均を算出する
I列~L列に集計しました。
陽線と陰線の平均を見てみると…
ほとんど1:1ですね!
陰線の方が平均が大きいなんてことないです。
仮説に沿わない結果になりました。
2−3.ローソク足の長さごとに細分化して集計する
今度は全体の平均ではなく、ローソク足の長さごとに集計してみました。
細分化したらもしかしたら偏りが見出せるかもしれません。
つまり長いローソク足は陽線より陰線の方が本数が多くなるんじゃないか?ということです。
結果はというと…
やはり偏りがありません。
陽線より陰線の方が全体的に長いということはないようです。
3.補足
今回は格言「落ちてくるナイフは掴むな」にあるような、下げの方が上げより早いという検証結果は得られませんでした。
しかしここで念のため補足しておきますと、急落・急騰どちらであっても慌ててエントリーすることは危険なのは間違いないです。
急落時や急騰時にエントリーをしようと考える時、メンタルはぶれぶれであることが多いです。
冷静に判断できず勢いだけで飛び乗ってしまい致命傷を負いかねません。
またそういったタイミングでは値段が激しく動きます。
大きく動いたからそこが底値(天井)だと判断して逆張りエントリーし、ところがまだまだ勢いは止まらず置いて行かれ一瞬で大ダメージ。
今度はその勢いに乗ろうとして順張りに切り替えてエントリーしたら、そこから激しく反発が起きまたまた大ダメージ。
いわゆる”往復ビンタ”ってやつですね。
そんなことが起こりやすいです。
相場が激しく動いている時は静観するのが一番です。
4.まとめ
今回のまとめとしては以下のようになります。
・上昇より下落がのほうが早いとは言えない。
・しかし相場が急激に動いている時は静観が良し。
今回は相場の格言について検証をしてみましたが、想像していたような結果にはなりませんでした。
もしこの検証で上昇と下落にそれぞれの傾向が見いだせたなら、それをトレードの材料にできないかと考えましたが今回は見送りです。
他にも相場の格言はたくさんありますので、他も検証してみたいと思います。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。
毎回、とても勉強になります。
今まで常識と思っていたものもこのように検証すると全く違う結果なのですね。
Youtube動画もとても分かりやすく参考にしてます。有難うございます。
FXに関する教科書的な情報は、実際真に受けると痛い目をみることが多いです。
こういった検証は最低限必要と考えています。
コメントありがとうございます。