FXでゴトー日を狙う!ゴトー日は円安になるって本当!?
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FXのアノマリー(明確な根拠はないが統計的に起こることの多いとされる事象)の一つにゴトー日というものがあります。

ゴトー日とは字の通りで「5」や「10」のつく日です。

これらの日は円安になりやすいというのがFXの有名なアノマリーの一つです。

もしそれが本当なら、そのゴトー日にロングエントリーをすればそれだけでトータルで勝てるということになりますよね?

ってことで検証です。

 

1.ゴトー日とは

ゴトー日とはFXのアノマリーの一つで、先述の通り「5」や「10」のつく日は円安になりやすいというものです。

具体的には5日・10日・15日・20日・25日・月末日です。

アノマリーの一種とされているものの一応それっぽい理屈はあります。

企業の商習慣的にこのゴトー日に当てはまる日付は決済日にあたり、ドル支払いのためにドルの需要が高まるというものです。

つまりは円を売ってドルを買う企業がたくさんでてくるので、円安ドル高になるという理屈です。

もう少し詳しく書くと、「仲値」に向かって円安ドル高になるというものです。

 

2.仲値とは

「仲値」とは便宜上銀行が決めるその日一日の固定されたレートのことです。

レートを固定しないとどうなると思いますか?

例えばあなたが海外旅行のために円をドルに両替したいときに、刻一刻とレートが変わるわけですからこんなやり取りになります。

 

銀行「今は1ドル100円で両替できます。」

あなた「1ドル100円か!500ドル欲しいから50,000円払いますね!」

銀行「レートが動いてやっぱり1ドル101円になりました。」

あなた「1ドル101円かよ、不利な方にレートが動いちゃったな。えーと、1ドル101円だと500ドルに交換するには何円必要なんだ?」

銀行「今話してる間にまたレートが動いたので、今は1ドル102円になりました。」

あなた「」

 

どうですか、こんなやり取りしてたら取引に支障をきたしますよね。

こういったことを避けるために銀行は毎日「仲値」を決めてその日一日のレートを決めるんです。

「仲値」が決まるのは9:55です。

企業が決済のためにゴトー日にドルをたくさん買うというわけですから、銀行はそんな企業にドルを提供するためにドルをたくさん仕入れるのです。

ということはドルがたくさん買われて円がたくさん売られるんだから円安になるという理屈になりますよね?

そうして9:55を迎えてその日の「仲値」が決まります。

銀行の立場からしても9:55に決まる「仲値」は高いほど企業との取引するには有利ですよね(1ドル100円で企業に提供するより、1ドル101円で提供した方が銀行としては得ですよね)。

この「仲値」に向かって円安に向かいやすいとされています。

今回の検証は、この理屈に沿ってゴトー日に買いでエントリーしたら優位性があるのではないか?というのを検証します。

 

3.ゴトー日にロングエントリー!

エントリー条件と決済条件は以下の通りとします。

早朝だとスプレッドが広すぎるので、今回はゴトー日なら8:00にエントリーし9:55(仲値が決まる時間)に決済としてみます。

エントリー条件

①日付が5日・10日・15日・20日・25日・月末日のいずれかである。

②時刻が8:00になった。

上記条件を満たしたらロングエントリー!

決済条件

9:55になったら決済!

ちなみに細かいことを言うと、ゴトー日が土日祝日で休みの時は前倒しになりますが、シンプルに考えるために今回それは無視します。

つまりゴトー日と休みの日が被ったなら前倒しの日付でのエントリーはしません。

これは世の中のFXのユーザーたちを考えても、きれいなゴトー日のほうが意識されやすいだろうという想定があるためです。

本当にゴトー日に円安になりやすいなら、きれいなゴトー日のみの方がその優位性ははっきり出るはずですよね。

 

4.検証条件

以下の条件にて検証します。

基 本 情 報
通貨ペア ドル/円
資金 100万円スタート
取引ロット 0.5
時間足 1分足
スプレッド 5
期間 過去5年(2014/1/1~2018/12/31)

 

5.検証

それでは検証を開始します。

以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。

 

5−1.ゴトー日全てで検証

勝率を見てください。なんと50%程度しかありません。

ゴトー日トレードに優位性なんてあるのでしょうか。

総取引数: 203回
純益: 74,700円
売りポジション勝率: 0.00%
買いポジション勝率: 49.75%
一回あたりの期待値: 367.98円

 

一応もう少し検証してみましょう。

ゴトー日の中でも一番決済の多い日は月末です。

月末日のみのエントリーで検証してみましょう。

 

5−2.月末日のみで検証

今度はまさかの50%どころか30%程度まで勝率が落ちてしまいました。

月末が一番決済多いはずなんですけどね(笑)

総取引数: 41回
純益: -84,000円
売りポジション勝率: 0.00%
買いポジション勝率: 29.27%
一回あたりの期待値: -2048.78円

 

6.まとめ

・ゴトー日トレードに優位性はない!

 

有名なゴトー日トレードには優位性はありませんでした。

いかにもそれっぽい理屈ではありますが、結局のところ勝てる手法ではないということです。

このゴトー日トレードも普通にネット上や本で、あたかも優位性のあるトレードかのように取り上げられているから困ります。

知らない人からしたらこの理屈で説明されたら信じてしまいそうですよね。

やはり検証は大事なのです。

FX関連の情報を鵜呑みにしてはいけません。

もしかしたら本に書いてあるからと、期待値のマイナスな取引を延々とあなたはやっているのかもしれませんよ?

この調子で他のFXアノマリーも検証していきたいと思います。


※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。