今回はMACDとボリンジャーバンドでエクスパンションを狙う手法の検証です。
具体的にはMACDのクロス後に、ローソク足がMACDクロスの方向へボリンジャーバンドの2σへタッチしたらエントリーし、エクスパンションに乗るという手法です。
これは以前に検証した以下の手法に似ていますが、以下の検証はボリンジャーバンドでの反発を狙うものなので使用するバンドが反対になります。
また、前回はボリンジャーバンドの反発後にMACDのクロスを待つというものなので、MACDとボリンジャーバンドの使用順序も逆です。
MACDクロスとボリンジャーバンドの反発でエクスパンションを狙う!
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
目次
1.MACDのクロスとその方向へのボリンジャーバンドのタッチでエクスパンションを狙う!
MACDのクロスはトレンド転換のシグナルと言われ、またトレンドが出ている方向でのボリンジャーバンドへのローソク足のタッチはエクスパンションが起きるシグナルと言われます。
レンジ相場ではローソク足がボリンジャーバンドの中を上下にジグザグと動き続けます。
しかしこの動きがある時に終わりバンドが大きく広がり一方向へ一気にトレンドがでるタイミングがきます。
これをエクスパンションと呼びます。
このエクスパンションをとるために、MACDのクロス後にその方向へのボリンジャーバンドへのタッチでエントリーします。
エクスパンションのシグナルと言われるMACDのクロスと、ボリンジャーバンドへのタッチの二つを用いるというわけです。
なるほど、こう説明を聞くとエクスパンションに乗れそうな気がしますね!
是非検証してみましょう!
具体的なエントリー条件と決済条件は以下の通りです。
①MACDラインがシグナルラインをクロス。
②MACDクロス後、MACDクロスの方向でのボリンジャーバンドの2σにローソク足が終値でタッチ。
この2つの条件が揃ったら次の始値でエントリーします。
任意の値幅で利食いと損切りを行う。 ※MACDラインの逆方向へのクロスは待たない。
この手法をひたすら繰り返した場合、勝てるのでしょうか?
本当にこのやり方でエクスパンションをとれるなら、効率良く資金を増やしていけるはずです!
2.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:複数で検証
スプレッド:5
期間:過去5年(2015/1/1~2019/12/31)
[インジゲータ]
ボリンジャーバンド 期間:20 偏差:2σ
MACD 短期指数移動平均線:12 長期指数移動平均線:26 シグナル:9
上記の条件にて検証します。
3.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
3−1.15分足 利食い:0.300円 損切り:0.150円
んー、全然ダメ。
だましにあうことがしばしばあります。
総取引数: | 2091回 |
純益: | -563,160円 |
売りポジション勝率: | 32.16% |
買いポジション勝率: | 32.21% |
一回あたりの期待値: | -269.33円 |
3−2.1時間足 利食い:0.600円 損切り:0.300円
おお!中盤からやや下がり気味だが、悪くないのではないか!?
改良の余地ありな気がする!
総取引数: | 519回 |
純益: | 471,825円 |
売りポジション勝率: | 37.50% |
買いポジション勝率: | 33.33% |
一回あたりの期待値: | 909.10円 |
3−3.4時間足 利食い:1.000円 損切り:0.500円
4時間足ではダメでした。
時間足を伸ばすほどいいわけでもなさそうです。
総取引数: | 137回 |
純益: | -292,490円 |
売りポジション勝率: | 28.77% |
買いポジション勝率: | 32.81% |
一回あたりの期待値: | -2134.96円 |
4.過去10年間で検証
今回一番パフォーマンスの高かった1時間足で検証期間を10年間に延ばしてみる。
果たして10年通してパフォーマンスは高いのか!
4−1.1時間足 利食い:0.600円 損切り:0.300円
前半伸び悩んだが、その後資金は右肩上がり。
やはりまずまずの結果ではないか!
総取引数: | 947回 |
純益: | 522,650円 |
売りポジション勝率: | 36.70% |
買いポジション勝率: | 34.83% |
一回あたりの期待値: | 551.90円 |
4−2.1時間足 利食い:0.900円 損切り:0.300円
利食い幅を広げてみた結果。
結果的に純益がやや増えたが、前半の資金の減少が激しく半分以下になっている。
精神的によろしくない。
総取引数: | 890回 |
純益: | 658,710円 |
売りポジション勝率: | 27.15% |
買いポジション勝率: | 25.63% |
一回あたりの期待値: | 740.12円 |
4−3.1時間足 利食い:0.500円 損切り:0.500円
最後に利食い幅と損切り幅を1:1にしてみた。
これで勝率が大きく上がるなら、上の2つよりパフォーマンスが上がるはずだが…
結果は惨敗!
この手法においては、損小利大を目指した方が良さそうだ!
総取引数: | 389回 |
純益: | -797,170円 |
売りポジション勝率: | 44.90% |
買いポジション勝率: | 47.15% |
一回あたりの期待値: | -2049.28円 |
5.まとめ
この手法は利食いと損切りを2:1かそれ以上で利幅を広くとると優位性あり
前回のMACDとボリンジャーバンドを使用したエクスパンション狙いのトレードはいまいちパッとしませんでしたが、それに似た今回の手法はなんとパフォーマンスが上がりました。
このようにインジゲータの組み合わせや、パラメータを変えることで勝てる手法に化ける可能性があるのもFXの魅力の一つです。
これまでに検証した手法の中にも、同じように多少変更を加えるだけで勝てるようになるものもあるかもしれません。
引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。