以前にMACDのクロス手法の検証をしましたが、この有名な手法は迂闊に手を出すと危険であることがわかりました。
MACDのクロスでエントリーを繰り返した場合の勝率や期待値は?
今回はそのクロス手法を行うにあたって、MACDのパラメータの設定値は何が一番良いのか検証してみます!
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
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1.MACDのクロスでエントリーと決済!
今回は一般的に言われるMACDのクロス手法を行うにあたって、どの設定値が一番良いのか検証します。
具体的なエントリーと決済手順は以下の通りです。
0ラインより上でMACDラインがシグナルラインを下抜けたらショートエントリー。
0ラインより下でMACDラインがシグナルラインを上抜けたらロングエントリー。
エントリーの時と逆方向にMACDラインがシグナルラインをクロスしたら決済。
2.MACDの設定値を複数検証してみる
以下にMACDの各設定値での検証条件と結果を載せます。
2−1.検証条件
通貨ペア | ドル/円 |
資金 | 100万円 |
取引ロット | 0.5 |
スプレッド | 5 |
期間 | 過去5年(2014/1/1~2018/12/31) |
2−2.検証結果
MACD 6 13 3
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 4045 | -795,920 | 33.70% |
5分足 | 3047 | -794,720 | 34.00% |
15分足 | 1774 | -764,640 | 36.36% |
1時間足 | 423 | -761,230 | 35.93% |
4時間足 | 261 | -780,020 | 30.65% |
MACD 9 19 6
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 3181 | -797,083 | 32.88% |
5分足 | 2591 | -786,823 | 33.35% |
15分足 | 4454 | -780,738 | 34.89% |
1時間足 | 560 | -758,744 | 30.00% |
4時間足 | 318 | 544,411 | 36.48% |
MACD 12 26 9 ※これが一般的なパラメータです。
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 2730 | -795,520 | 33.34% |
5分足 | 4568 | -759,270 | 32.81% |
15分足 | 1195 | -751,960 | 34.73% |
1時間足 | 443 | -780,580 | 30.84% |
4時間足 | 247 | -558,550 | 33.06% |
MACD 18 39 12
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 3051 | -795,524 | 33.10% |
5分足 | 5338 | -775,294 | 35.58% |
15分足 | 670 | -758,601 | 34.03% |
1時間足 | 368 | -793,202 | 32.07% |
4時間足 | 168 | -369,004 | 32.53% |
MACD 24 52 18
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 2444 | -796,680 | 32.86% |
5分足 | 1141 | -763,680 | 33.48% |
15分足 | 589 | -751,040 | 33.28% |
1時間足 | 485 | 643,730 | 38.14% |
4時間足 | 135 | 1,270,400 | 44.44% |
MACD 36 78 27
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 2809 | -790,340 | 32.75% |
5分足 | 756 | -761,179 | 35.05% |
15分足 | 434 | -759,085 | 35.94% |
1時間足 | 189 | -781,820 | 35.45% |
4時間足 | 90 | -130,432 | 34.44% |
MACD 48 104 36
時間足 | 取引数 | 純益 | 勝率 |
1分足 | 2535 | -787,410 | 34.36% |
5分足 | 576 | -763,010 | 32.12% |
15分足 | 998 | -305,920 | 36.47% |
1時間足 | 138 | -770,030 | 37.68% |
4時間足 | 71 | 33,062 | 33.80% |
この結果を見てわかる通り、ほとんどの場合負けてますね!
しかし、少しだけこの5年間で収支がプラスで終えられたものがあります!
これについてもっと期間を延ばして検証します。
3.期間を延ばして検証する
一番パフォーマンスの高かった以下の条件で、過去10年間を検証した結果です。
MACD 24 52 18 4時間足
チャートの下のグラフが資金の推移を表していますが、どうやら過去10年間に延ばすと中盤までは伸び悩むというかやや負けでした。
よってトータルでは、上記の過去5年間での検証の方が結果は良いことになりました。
しかし通常のMACDの使い方に比べたら相当良くなりましたよ。
総取引数: | 266回 |
純益: | 928,524円 |
売りポジション勝率: | 35.07% |
買いポジション勝率: | 43.18% |
一回あたりの期待値: | 3490.69円 |
4.MACDの一般論を信じると危険
MACDはFXのインジゲータの中でも有名で、至る所で紹介されています。
そしてその時必ずと言ってよいほど説明されるのが、MACDラインとシグナルラインのクロスの手法です。
さらに設定値は初期状態で良いとされているものがほとんどです。
しかしその情報を信じて実行した結果はどうでしょう。
上記の通り負けに負けて資金を減らす一方となります。
そして通常は変更しない設定値をいじることによってようやくやや優位性を見出せました。
このMACDに限らず、本やネットでのFXの手法やテクニカル分析はそれをそのまま実行しても負けることの方が圧倒的に多いです。
それらの説明がされるとき、説明に使うチャートはそれが上手くいっている個所の切り抜きでしかありません。
このMACDのクロス手法は有名でかつ分かりやすいため、実践しようと考えがちですがよく検証してみるとかなり危険なものだということがわかります。
漠然とチャートを眺めてなんとなくの判断で売買をしてはダメなのです。
5.まとめ
今回のまとめは以下の通りとなります。
・4時間足でMACD 24 52 18の設定値でのクロス手法が最もパフォーマンスが高かった!
・MACDの一般論は鵜呑みにすると危険!
MACDの一般的な使い方は危険です。
しかし通常は行わないMACDの設定値を変更することでやや優位性を見出すことができました。
本やネットに書いてあったことを鵜呑みにするのではなく、きちんと数字で検証するのです。
その情報を書いた人がどれだけ有名であったり権威性があってもです。
思考停止は身を滅ぼします。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。