相場にはアノマリーと呼ばれるものがあります。
それは「理由は明確でないが起こることの多い法則性」を指します。
今回はその中でも各月におけるアノマリーの紹介と検証をしてみたいと思います。
もし〇月は上がりやすい!下がりやすい!のような明確な偏りがあるなら毎年それに賭け続ければいいですよね?ってことで検証です。
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
1.月ごとのアノマリー一覧
以下に月ごとのアノマリーとその一般論(アノマリー)を載せます。
1月 | 1年の始まりであり、1月の高値や安値がその1年の高値や安値になりやすい。 |
2月 | 米国債の償還があるため受け取ったドルを円に戻す動きが多くなり円高になりやすい。 |
3月 | 日本の企業の多くはこの月が決算にあたる。納税等のために外貨を日本円に戻す動きが増え、円高になりやすい。 |
4月 | 新年度で新しい事業が入ってきて外貨流入する、またGWで海外旅行者が増え円安になりやすい。 |
5月 | 「セルインメイ」という株式投資の言葉が有名。6月~9月が株価は軟調になるので5月のうちに売ってしまえというもの。その影響5月は円安になりやすい。 |
6月 | 大口投資家たちが休みに入り始め、値動きが小さくなりがち。
※ただし2015/8のチャイナショックのように、大きく動いた例外もあり。 |
7月 | |
8月 | |
9月 | 日本では中間決算の時期となり、外貨を日本円に戻す動きが起き円高になりやすい。 |
10月 | 米国相場の暴落が集中している月。世界恐慌やブラックマンデー等。これにより米国株式が売られやすく円が買われ円高になりやすい。 |
11月 | ハロウィンで株価が上昇しやすいと言われている。 |
12月 | 海外企業の決算月につき、円売りドル買いが起きやすい。よって円安になりやすい。 |
2.過去の各月のローソク足を検証
以下に1998/10~2020/09までの月足をExcelで用意しました。
また、それをG列で陽線と陰線の判定をしI列~K列で集計しました。
さあこの結果を見てあなたはどう感じるでしょうか?
3.月ごとのアノマリーの信憑性
上記集計結果を見て思うに、まずは全体的にあまり偏りがないということ。
そしてやや偏りがあるように見える個所も、アノマリーの内容に沿わない。
例えば、8月は解説では”あまり値動きがない”となっているが陰線の方が2倍以上多い。
また10月は円高になりやすいとされているが、集計結果は陽線の方が多い。
なるほど、アノマリーの一般論は当てにならないととれる。
それではアノマリーには沿わないが、8月は陰線が2倍以上多いなら今後毎年8月は売りで勝負をするか?
いやそれは得策とは言えないでしょう。
この結果を偏りととるには検証に使う月足の本数が少なすぎます。
想像してみてください。
もしコインを適当に10回投げたとして、そのうち7回表が出るくらいは起こり得ると思いませんか?
コインの表裏はどちらの確率も1/2ですが、それは何度も何度も試行回数を繰り返すことによりその結果が1/2に近づいていくのです。
今回の検証のようにわずか20本ちょっとで偏りを見出そうというのは無理があります。
せめて100本程度は欲しいところです(それでも少ないですが…)。
4.まとめ
今回のまとめは以下の通りとなります。
・月ごとのアノマリーは過去を検証するに、その傾向は見いだせない。
いかがでしたか。
「セルインメイ」のような有名なアノマリーは聞いたことがある人も多かったのではないでしょうか。
検証していないと、そう一般的に言われているなら”何となくそれが正しい”と感じ実行に移してしまうことでしょう。
もちろんそれで上手くいく人もいます。
なぜなら、FXは上がるか下がるかだけなのですから。
たまたまその月のアノマリーに賭けて上手くいったとして、それは単に”運が良かった”ということです。
他にもFXのアノマリーは存在しているので、引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。