今回はファンダメンタルズ分析の検証をします。
為替の勉強をしていると以下のような話を聞きます。
「貿易収支が黒字ならその国の通貨が買われやすい!赤字なら売られやすい!」
この内容の信憑性を確かめてみたいと思います!
この記事の最後には、勝てる手法をまとめたページのリンクも貼ってあります。併せて是非ご参照ください。
目次
1.貿易収支と為替における一般論
貿易収支とは字のごとく貿易の収支です。
つまりは、貿易で日本から輸出する場合もあれば輸入する場合もあるのですから、入るお金と出ていくお金がありますね。
そのトータルでは黒字だったか赤字だったかという話です。
そしてこの結果が為替に影響を与えるという一般論があります。
貿易収支が黒字の場合、出ていく自国通貨より入ってくる外貨のほうが多いわけですよね?
そうなるとその外貨を自国通貨に換えて使おうとするのでその国の通貨が買われやすい。
逆に貿易収支が赤字なら入ってくる外貨が少ないので自国通貨に換える動きが小さくなる、つまりその国の通貨は買われにくい。
ということは、貿易収支の結果に沿って毎月取引をし続けたら勝てるのではないか!?ってことで検証です!
2.貿易収支とドル/円の動きを比較
今回は財務省のHPより取得した1998/11~2020/8の国際収支のデータを用いて検証します。
https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/bpnet.htm
その国際収支に対して、ドル/円の値動きはどうなっていたのかを並べて見てみましょう!
2−1.国際収支が黒字なら翌月円高になるか?赤字なら円安になるか?
以下にエクセルで集計した結果を提示します。
H~J列が貿易収支の情報で、K列が前月比でドル/円が増減した価格です。
そして今回の一般論が成り立ったらL列に1を立てて、その数を数えています。
O列とP列に集計結果を載せています。
結果は…成り立った割合は53.10%!んー強い傾向があるとは言えない!
2−2.国際収支が黒字なら翌々月円高になるか?赤字なら円安になるか?
次に1ヶ月ズラして集計してみます。
具体的には、貿易収支が黒字なら翌々月に円高になるか?また赤字なら翌々月に円安となるか?ということです。
ちなみに財務省の国際収支統計もどうやら2ヶ月後(例:2020/9の結果は2020/11に公表)のようなのでこれでパフォーマンスが向上するならちょうどいいです。
ということで結果はというと…
やや向上しましたね。
しかし明確な偏りと言えるかというともう一歩!
2−3.国際収支が黒字なら翌々翌月円高になるか?赤字なら円安になるか?
1ヶ月後倒しにしたらややパフォーマンスが向上したので、念のためもう一ヶ月だけ後倒しにしてみる!
結果は…
パフォーマンスがやや落ちた。
後倒しにすればいいというものではないようだ。
3.まとめ
今回のまとめとしては以下のようになります。
傾向があるかもしれないが、信じるには心許ない!
今回は貿易収支についての一般論を検証してみました。
集計してみると、やや傾向があると言えばあるような感じもします。
しかし偏りがあると判断するには、53%~55%程度という確率とデータ量260本程度では心許ないです。
他のファンダメンタルズ分析においては傾向を見出せるかもしれません。
引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。