FXの時間帯ごとに円安円高の傾向は見られるのか検証
Pocket

このページにたどり着いたあなたはこんなことを知りたいのでしょう!

・FXは時間帯による円安、円高の傾向はあるのか!?

・傾向があるとしたら、それに賭け続けたら勝てるのではないか!?

本やネットを読むと、時間について説明しているものがあります。

多くの場合値動きが大きくなりやすいか否かについて論じられていますが、本ページで考えるのは時間帯による円安、円高の傾向についてです。

つまりこの時間帯は上がりやすいとか下がりやすいというようなものがあるのかということです。

 

もし時間によってそんな傾向があるのだとすれば、その傾向にひたすら賭け続ければトータルで勝てるはずですよね。

 

FX歴10年、プログラムを駆使して色んな手法を検証してきた私が、本件について検証結果を示します。

それでは見ていきましょう!

1.Excelで過去10年分のチャートデータを集計

筆者が持っている以下の過去10年(2011年~2020年)のチャートデータで検証します。

通貨ペアはドル/円で1時間足、データは61118本あります。

※このデータの時間はニューヨーク時間ですので日本時間とはズレがあります。

1-1.時間による陽線と陰線の出現傾向

まずは時間帯による陽線と陰線の出現傾向を探ります。

以下に集計結果(L列~O列)を載せます。

さあどうでしょうか。

多くの時間で大きな偏りはありませんね。

ただ以下の時間は少し偏りがあります。

  • 0:00
  • 1:00
  • 4:00
  • 5:00
  • 14:00
  • 19:00
  • 21:00

これは検証の余地ありかもしれません。

1-2.時間による上昇と下落の平均

次に時間ごとの上昇と下落の平均値をとってみます。

これは始値から高値までの幅と、始値から安値までの幅を時間帯ごとに平均値をとってみたものです。

果たしてこちらの結果はどうでしょうか。

 

残念なことにこちらも傾向がありません。

やはり時間帯だけで、上がりやすいとか下がりやすいとは言えないようです。

2.陽線と陰線の出現確率の偏りに賭け続けてみる

ローソク足の陽線と陰線の出現確率に傾向があったのは以下の時間帯でした。

これは先述した通りニューヨーク時間ですので、日本時間へ変換してみましょう。

※米国の夏時間(3月の第2日曜日~10月末)においては左の時間、冬時間(11月第1日曜日~3月の第2土曜日)においては括弧内の時間です。

ひたすらロング
  • 0:00 → 日本時間 6時(7時)
  • 1:00 → 日本時間 7時(8
  • 14:00 → 日本時間 20時(21) 
  • 19:00 → 日本時間 1時(2
  • 21:00 → 日本時間 3時(4
    ひたすらショート
    • 4:00 → 日本時間 10時(11時)
    • 5:00 → 日本時間 11時(12時) 

     

    これらの時間帯の一時間足で10年間ひたすらエントリーし、終値(つまり一時間後)で決済を繰り返せばトータルで勝てるのでしょうか!?

    以下に検証結果を載せます!

    100万円スタート、検証期間は2011/1~2020/12/31、スプレッドは0.005円です。

    時間 取引数 純益 勝率
    6時(7時) 2515 733,820 54.00%
    7時(8時) 2533 265,750 51.44%
    10時(11時) 2538 62,400 50.00%
    11時(12時) 2538 357,000 50.87%
    20時(21時) 2548 7150 49.96%
    1時(2時) 2520 -162,950 50.63%
    3時(4時) 2481 -31,510 50.30%

     

    どうでしょうか。

    すごく大きな傾向とはいえませんが多少傾向はあるようですね。

    特に6時(7時)は比較的傾向が強め。

    しかしこの時間を見ると突っ込みたくなる人もいることでしょう!

    そう、スプレッド広い問題!

    朝の6時や7時というと、スプレッドが狭くても0.020円~0.060円程度はあります。

    仮にスプレッドが0.020円で済むとしたらどうなるでしょうか。

    以下のようになります。

     

    2-1.6時(7時)にひたすらロング スプレッド:20

    なんと資金がショートします!

    ちなみに最初に示した通りスプレッド0.005円でやってみると以下の通りです。

    スプレッドの破壊力がよくわかりますね。

    よってこの時間帯のエントリーは現実的ではないでしょう。

    それなら残りの2つの時間帯は資金の推移はどうでしょうか。

    それも以下に示します。

    2-2.7時(8時)にひたすらロング スプレッド:5

    純益が265,750円となっていましたが、こんな増減をしての結果でした。

    ちょっとやる気にならないですね。

    では11時(12時)のエントリーの資金の推移はどうでしょうか。

    2-3.11時(12時)にひたすらショート スプレッド:5

    純益は357,000円で、ここまでの2つの検証よりはまだ安定した資金の推移をしていますね。

    しかし10年間で357,000円の勝ちはどうでしょう。

    嬉しいといえば嬉しいですが、そこまででしょうか(笑)

     

    3.まとめ

    ・時間帯ごとの円安円高の偏りはややある。

    ・しかしそれメインで取引するほどの強さはなさそう。

     

    今回はなんとも言えない検証結果となりました。

    これだけでFXをやるには心許ないですね。

    しかし買いか売りか迷ったら今回の傾向に賭けてみる、という程度の使い方はいいかもしれません。


    ※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。

    必見!