今回もとある本のボリンジャーバンドの順張り手法を検証する。
ボリンジャーバンドのエクスパンションをとりたい!
目次
1.ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドについて簡潔に説明します。
以下の図を見てください。
ローソク足を覆っているバンドが3つあります(真ん中の赤線は移動平均線です)。
それぞれがボラリティー(過去の値動きから算出した想定される値幅)を表しています。
1σ(黄色の線):このバンド内に収まる確率は68.26%と想定される
2σ(緑色の線):このバンド内に収まる確率は95.44%と想定される
3σ(赤色の線):このバンド内に収まる確率は99.74%と想定される
2.ボリンジャーバンドのエクスパンションでエントリー!
ローソク足は、上記ボリンジャーバンドの中で上下に反発しながら動くことが多いですが、ある時その反発をやめ一方向に急激に動くことがあります。
これをエクスパンションと呼びます。
以下の例を見てください。
上記説明のボリンジャーバンドの2σが表示されています。
今回検証する、とある本の順張りのサインとして載っていたのは以下の条件となっています。
条件1:バンドが上下に拡大(←エクスパンション)
条件2:ローソク足の終値がバンドの2σを越える
上記の条件を確認したら次の始値で順張りでエントリーです。
以下の例はロングエントリーです。
上述の条件を以下のように具体的にします。
・2つ前のバンドの幅が任意の数値(時間足によって変更)以下である。 (←エクスパンションの前でバンドが縮んでいる時)
・2つ前のバンドの位置より、1つ前のバンドの位置が任意の数値(時間足によって変更)以上広がっている。 (←エクスパンションが起きた状態)
・1本前の終値が1つ前のバンドを越えている。
そして、ローソク足の終値がバンドの1σまで戻ってしまったら決済とします。(ロングなら上1σまで戻ったら決済、ショートなら下1σまで戻ったら決済)
このエントリーの勝率や期待値はいかに!
検証してみましょう!
3.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:ドル/円
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:複数で検証
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/31)
[インジゲータ]
ボリンジャーバンド:期間 20
上記の条件にて検証します。
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像のチャートの下のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.15分足 2つ前のバンドの幅が0.100以下 & 2つ前のバンドが1つ前のバンドより0.020広がっている & 終値がバンドを越えている、でエントリー
結果的に勝っているのだが、5年間で取引回数が64回ではちょっと少ない…
総取引数:64回 純益:99,850円 売りポジション勝率:53.85% 買いポジション勝率:46.15% 一回あたりの期待値:1536.15円
4−2.1時間足 2つ前のバンドの幅が0.300以下 & 2つ前のバンドが1つ前のバンドより0.050広がっている & 終値がバンドを越えている、でエントリー
1時間足にすると全然勝てなくなった。
当然取引回数も15分足より減っている。1ヶ月に1回もエントリーできないくらいだ。
総取引数:47回 純益:-124,400円 売りポジション勝率:29.17% 買いポジション勝率:39.13% 一回あたりの期待値:-2646.81円
4時間足はやるまでもないので割愛します。
そして一応、15分足のほうで検証期間を伸ばしてみます。
5.追加検証
過去10年間に伸ばして検証してみると、優位性があるかというと全然ないことがわかった。
収支結果はほぼトントンである。
総取引数:183回 純益:5,300円 売りポジション勝率:40.43% 買いポジション勝率:39.33% 一回あたりの期待値:28.96円
そして一応、15分足のほうで検証期間を伸ばしてみます。
6.所見
今回の条件だとエクスパンションの拾い漏れが生じる。
例えば以下のような状況だと、今回の条件から外れるためエントリーしていないがもしショートエントリーしていたらそれなりに勝てている。
今回のエントリー条件以外の条件で、エクスパンションを上手く掴めるものはあるのかもしれない。
7.まとめ
・今回の条件でのエントリーでは、優位性がない。
・今回のエントリーではエクスパンションの拾い漏れがたくさん生じる。
しかしながら、ボリンジャーバンドのエクスパンションは是非取りたいものである。
他の条件を引き続き検証していく。
以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。
是非ご参照ください。