今回はとある情報の検証をします。
それは「MACDと一番相性の良いオシレータ系インジゲータはストキャスティクスである」というものです。
MACDはオシレータ系インジゲータと相性が良いとのことですが、その中でもストキャスティクスが特に良いというので検証します。
1.MACDとストキャスティクス
MACDのクロスでのエントリーだけに頼ろうとすると、だましが非常に多くなります。
相場の7割はレンジ相場と言われています。
そのレンジ相場においては、MACDのクロスでエントリーしたと思ったらすぐに逆行して含み損を抱えてしまいます。
そこでそのだましを回避するために必要なのがオシレータ系の指標であり、その中でも一番良いインジゲータがストキャスティクスだというのです。
どう活用するかというと、ストキャスティクスでのクロスを確認の上でMACDのクロスが起きたらエントリーするというわけです。
①ストキャスティクスの%K線が%D線を20以下のエリアで上抜けた。
②MACDラインがシグナルラインを上抜けた。
※これは買いの場合で、売りの場合はこれの逆です。
ストキャスティクスの%K線が%D線をエントリー時と逆方向に抜けた。
これでMACDクロスのだましを避けることができるなら、MACDのクロス単体よりもパフォーマンスが上がるはずです。
検証してみましょう!
2.検証条件
以下の条件にて検証します。
基 本 情 報 | |
通貨ペア | ドル/円 |
資金 | 100万円スタート |
取引ロット | 0.5 |
時間足 | 複数 |
スプレッド | 5 |
期間 | 過去5年(2015/1/1~2019/12/31) |
インジゲータ | |
MACD | 短期指数移動平均線 12 長期指数移動平均線 26 MACDシグナル線期間 9 |
ストキャスティクス | %K:5 %D:3 |
3.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
3−1.5分足
勝率がすごく低い。
だましを回避できるとは本当か??
総取引数: | 1757回 |
純益: | -552,550円 |
売りポジション勝率: | 35.99% |
買いポジション勝率: | 35.45% |
一回あたりの期待値: | -314.48円 |
3−2.15分足
マシにはなったが、結局トータルで負け。
勝率も低い。
総取引数: | 512回 |
純益: | -67,650円 |
売りポジション勝率: | 40.00% |
買いポジション勝率: | 35.85% |
一回あたりの期待値: | -132.13円 |
3−3.1時間足
お、強くなった。
ローソク足の時間伸ばすと強くなる??
総取引数: | 137回 |
純益: | 661,000円 |
売りポジション勝率: | 50.00% |
買いポジション勝率: | 45.28% |
一回あたりの期待値: | 4824.82円 |
3−4.4時間足
4時間足でも勝てましたが、いかんせん取引回数が5年で40回では少なすぎますね。
ここは1時間足で検証期間を延ばしてみましょう!
総取引数: | 40回 |
純益: | 389,550円 |
売りポジション勝率: | 53.33% |
買いポジション勝率: | 45.00% |
一回あたりの期待値: | 9738.75円 |
4.追加検証
今回最もパフォーマンスの高かった1時間足での検証期間を10年に延ばした結果。
どうやらパフォーマンスが高かったのは直近の5年だけで、それより前の期間は横ばいでした。
残念。
総取引数: | 278回 |
純益: | 670,700円 |
売りポジション勝率: | 45.51% |
買いポジション勝率: | 44.14% |
一回あたりの期待値: | 2412.59円 |
5.まとめ
・期間によってパフォーマンスがぶれるので微妙!
今回はMACDのクロスのだましを回避できるやり方だということで期待して検証しましたが、優位性があったかというと確信はもてない結果となりました。
直近の数年だけパフォーマンスの高い手法は、それにベットするには心許ないですね。
このように数年の期間だけ勝てる手法というのはFXではよく見かけます。
テクニカル分析でFXに挑むなら、やはり過去の検証は数年だけでは足りません。
今回は微妙な結果でしたが、MACDのだましを回避できるやり方があるならばトータルで勝てるようになるはずです。
引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。