一目均衡表には”雲”と表現される、2つのラインの組み合わせがあります。
この2つのラインが交差した時、”雲がねじれた”と表現され相場の転換の合図だという一般論があります。
もしこれが本当なのだとすると、そのタイミングで逆張りエントリーすると勝てると思いませんか!?
ということで検証します!
1.一目均衡表の雲とは
一目均衡表は以下の図のように5つのラインで構成されています。
その中でも今回取り上げるのは、先行スパンAと先行スパンBです。
見やすくするためにこの2つのライン以外を消してみます。
以下の図のように、先行スパンAと先行スパンBに挟まれた空間を”雲”と表現します。
この雲にはいくつかの考え方があります。
例えば、雲は分厚いほど強力にサポートラインやレジスタンスラインになる。
もしローソク足が雲を貫いたら、その後はそのまま勢いづいて進む。
雲がねじれはトレンド転換の兆しである、等です。
今回は雲のねじれがトレンド転換の兆しであるという一般論の検証を行います。
もし雲のねじれが起きるとトレンド転換する傾向にあるとしたら、そのタイミングで逆張りを仕掛け続けるとトータルで勝てると思いませんか??
是非検証してみましょう!
2.雲のねじれが起きた時にRSIでトレンドを判断しエントリー
上述の通り、雲のねじれは相場の転換の兆しであること検証するのですが、何をもってトレンドが出ていることを判断しましょうか。
今回はRSIを活用してみようと思います。
RSIはその数値によって相場の過熱具合を表してくれるので、RSIの数値によってトレンドが出ているかを判断してみましょう。
エントリーと決済は以下の条件で行います。
※これは売りの場合で、買いの場合はこれの逆です。
①RSIが70以上である。
②先行スパンAと先行スパンBが交差した(雲がねじれた)。
RSIが30以下になったら決済。
果たしてこの逆張りの繰り返しに優位性はあるのか!
検証してみましょう!
3.検証条件
以下の条件にて検証します。
基 本 情 報 | |
通貨ペア | ドル/円 |
資金 | 100万円スタート |
取引ロット | 0.5 |
時間足 | 複数 |
スプレッド | 5 |
期間 | 過去5年(2016/1/1~2020/12/31) |
インジゲータ | |
一目均衡表 | 先行スパンA・先行スパンB |
RSI | 期間:14 |
4.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
4−1.1分足
なんとかトータルで勝っています。
しかしきれいな右肩上がりとは言えないですね。
総取引数: | 3309回 |
純益: | 294,105円 |
売りポジション勝率: | 64.22% |
買いポジション勝率: | 64.46% |
一回あたりの期待値: | 88.88円 |
4−2.5分足
今度は一気に右肩下がりになりましたね。
優位性なしです。
総取引数: | 663回 |
純益: | -590,281円 |
売りポジション勝率: | 60.67% |
買いポジション勝率: | 60.60% |
一回あたりの期待値: | -890.32円 |
4−3.15分足
こちらも全然だめだ。
RSIと雲のねじれの2つの判断材料でもってトレンド転換を狙っている割に勝率も高くない。
総取引数: | 186回 |
純益: | -778,685円 |
売りポジション勝率: | 61.46% |
買いポジション勝率: | 57.78% |
一回あたりの期待値: | -4186.48円 |
5.注意点
今回1分足ではトータルで一応勝てるという検証結果になりました。
しかし待ってほしい。
ここまで読んだあなたには以下の記事を読んできてほしい。
こちらの記事はRSI単体でパラメータを変えながら逆張りを繰り返した検証の記事だが、これの1分足での検証結果の方がはるかに優位性があった。
つまりは、今回一目均衡表の雲のねじれというものをエントリーロジックにくわえてしまったせいで、逆にパフォーマンスを落としていると言えます。
雲のねじれが起きるまでエントリーしないため、エントリー機会をただ無駄に失っているということです。
雲がねじれたから相場が転換する、と簡単に考えてはいけなそうです。
6.まとめ
・一目均衡表の雲がねじれたらトレンド転換が起きやすいとは言えない。
今回は一目均衡表の雲についての一般論の検証でしたが、微妙な結果となりました。
優位性を得るどころかむしろ邪魔をしてしまっているような結果です。
同じく雲とRSIを使った手法なら以下の記事の手法の方が断然良い結果になっています。
併せて是非ご参照ください。
雲を使用した優位性のある手法は他にもあるかもしれません。
引き続き検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。