移動平均線の乖離率でトレード!MT4で乖離率を計算して売買!
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ローソク足は移動平均線から離れた後はまた移動平均線に戻ってくる性質があるとされています。

そんな移動平均線の性質を利用したトレードとして、移動平均線の乖離率を見てエントリーする手法があります。

ローソク足が一定のパーセンテージ分だけ移動平均線から乖離したら、移動平均線の方向にエントリーするというわけですね。

この性質を利用したトレードはどのくらいの優位性があるのでしょうか?

検証してみましょう!

 

1.移動平均線の乖離率でエントリーする

以下の図を見てください。

移動平均線からローソク足が乖離した時に、移動平均線の向きに対してエントリーし移動平均線にタッチしたら決済しています。

 

エントリー手順

移動平均線の乖離率が一定の水準に到達したらエントリー!

決済条件

ローソク足が移動平均線にタッチしたら決済!

 

このサインの勝率や期待値はいかに!

検証してみましょう!

 

2.移動平均線の乖離率をMT4で算出する

移動平均線の乖離率の計算式は以下の通りです。

移動平均線乖離率の計算式

移動平均線乖離率 = (終値 - 移動平均線の数値) ÷ 移動平均線の数値

 

例としてわかりやすい数値を使います。

終値が95円でその時の移動平均線の数値が100円の場合、以下のような計算となります。

移動平均線乖離率 = (95 - 100) ÷ 100

移動平均線乖離率 = -0.05

移動平均線乖離率 = -5%

移動平均線の数値が100の時に、終値が95円なので移動平均線乖離率は-5%というわけですね。

 

この計算をMT4で行わせる場合は、以下のように記述します。

計算結果を変数に格納する場合の例です。

MT4で移動平均線の乖離率を計算

//移動平均線 パラメータ:20
double MA_0 = iMA(NULL,0,20,0,MODE_SMA,PRICE_CLOSE,0);

//移動平均線の上にローソク足がある時の乖離率
double KAIRI_HIGH = ((High[0] – MA_0) / MA_0 )*100 ;

//移動平均線の下にローソク足がある時の乖離率
double KAIRI_LOW = ((Low[0] – MA_0) / MA_0 )*100 ;

この記述例の場合、移動平均線(パラメータ:20)に対する乖離率を計算後に以下の変数に格納します。

移動平均線の上にローソク足がある時の乖離率:KAIRI_HIGH

移動平均線の下にローソク足がある時の乖離率:KAIRI_LOW

 

3.検証条件

以下の条件にて検証します。

基 本 情 報
通貨ペア ドル/円
資金 100万円スタート
取引ロット 0.5
時間足 複数
スプレッド 5
期間 過去5年(2014/1/1~2018/12/31)
インジゲータ
移動平均線 パラメータ:複数

 

4.検証① 移動平均線パラメータ:20  エントリー:乖離率 ±0.04%

それでは検証を開始します。

以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。

 

4−1.1分足

以前に検証したRSIを使ったスキャルピングのように勝てるのかと思いきや、資金がショートして終了となった。

前回も逆張りのスキャルピング手法であったので、同じような結果になるかと思いましたがまるで違うものになりました。

参考:FXでテクニカル指標の組み合わせは不要!スキャルピングで勝つ!

きちんと手法の検証をすることの重要性を改めて感じます。

総取引数: 5,753回
純益: -761,510円
売りポジション勝率: 63.86%
買いポジション勝率: 66.03%
一回あたりの期待値: -132.37円

 

4−2.5分足

1分足同様こちらもてんでダメ。

総取引数: 1,969回
純益: -761,625円
売りポジション勝率: 65.29%
買いポジション勝率: 68.71%
一回あたりの期待値: -386.81円

 

4−3.15分足

15分足でも資金はショート!使えない!

勝率は高いが、負けるときに大きく負けるのでトータルでは大火傷(笑)

総取引数: 2,635回
純益: -775,260円
売りポジション勝率: 70.94%
買いポジション勝率: 71.00%
一回あたりの期待値: -294.22円

 

4−4.1時間足

15分足同様に資金がショート!

15分足より勝率はやや良くなったが、優位性はなし!

総取引数: 1237回
純益: -790,810円
売りポジション勝率: 71.20%
買いポジション勝率: 76.14%
一回あたりの期待値: -639.30円

ここまで全て資金がショートしました。

それでは移動平均線のパラメータと、エントリーの基準となる移動平均線の乖離率の数値を変えてみましょう!

 

5.検証② 移動平均線パラメータ:40  エントリー:乖離率 ±0.08%

移動平均線のパラメータと、エントリーの基準となる移動平均線の乖離率の数値を変えて検証してみましょう!

条件はタイトルの通りです!

 

5−1.1分足

んー、あまり変わり映えしない。

相変わらず優位性がない。

総取引数: 2,219回
純益: -760,635円
売りポジション勝率: 60.85%
買いポジション勝率: 63.72%
一回あたりの期待値: -342.78円

 

5−2.5分足

ちょっとだけ資金のグラフに山ができるようになった気もします(笑)

しかし、結局これも資金がショート!

総取引数: 2,257回
純益: -774,925円
売りポジション勝率: 67.30%
買いポジション勝率: 67.40%
一回あたりの期待値: -343.34円

 

5−3.15分足

これも資金がショート!

損大利小である!

総取引数: 1,483回
純益: -791,880円
売りポジション勝率: 69.28%
買いポジション勝率: 72.58%
一回あたりの期待値: -533.97円

 

5−4.1時間足

お!ようやく勝機が見えてきたのではないでしょうか!

これまで同様に資金はショートしましたが、他と異なり前半は資金の上昇が少し見受けられます。

総取引数: 1237回
純益: -790,810円
売りポジション勝率: 71.20%
買いポジション勝率: 76.14%
一回あたりの期待値: -639.30円

 

6.検証③ 1時間足でこの手法をブラッシュアップしていく

上記の通り、1時間足で少し勝機が見いだせました。

ここからはその1時間足でのこの手法をブラッシュアップしていきましょう!

 

6−1.移動平均線パラメータ:80 エントリー:乖離率 ±0.16%

未だに資金はショートするものの、資金のグラフに山ができるようになってきた!まだ頑張る!

総取引数: 353回
純益: -790,755円
売りポジション勝率: 72.46%
買いポジション勝率: 77.42%
一回あたりの期待値: -2240.10円

上の画像を見てると、移動平均線から少し離れただけでエントリーしているように見える。

移動平均線のパラメータは変えずに、エントリーの基準となる乖離率を変更してみよう!

 

6−2.移動平均線パラメータ:80 エントリー:乖離率 ±0.50%

初めて資金がショートしない手法となりました!

総取引数: 288回
純益: -309,355円
売りポジション勝率: 57.46%
買いポジション勝率: 70.13%
一回あたりの期待値: -1074.15円

そして、まだ乖離率を上げられそうですね。

もっと上げます。

 

6−3.移動平均線パラメータ:80 エントリー:乖離率 ±1.00%

徐々に期待値がプラスに近づいてきました。

でももう少しエントリー時の乖離率を上げられそうです。

総取引数: 97回
純益: -24,500円
売りポジション勝率: 63.04%
買いポジション勝率: 64.71%
一回あたりの期待値: -252.58円

 

6−4.移動平均線パラメータ:80 エントリー:乖離率 ±1.50%

ようやくトータルで勝てるものになりました。

しかし、5年間でエントリーが31回ではあまりに少ないです。

総取引数: 31回
純益: 262,985円
売りポジション勝率: 50.00%
買いポジション勝率: 82.61%
一回あたりの期待値: 8483.39円

 

1時間足で勝つことができましたが取引回数がとても少なくなってしまいました。

しかしわかってきた傾向としては、移動平均線のパラメータは長めにしてかつエントリーする乖離率を高めにすることで勝てる手法に近づきました。

 

7.まとめ

・移動平均線乖離率でトレードするなら、移動平均線のパラメータとエントリー基準の乖離率が大事。

・移動平均線のパラメータは長めにしたほうが優位性が出てくる

・移動平均線の乖離率も高めにしたほうが優位性が出てくる(ただし高くしすぎるとエントリー回数が極端に減る)

 

検証に検証を繰り返して、移動平均線乖離率を使った手法で勝つヒントまでは得ることができました。

このヒントに加えて、さらに別なロジックを加えるなどしてさらに優位性のある手法にできるかもしれない。

引き続き検証していく。


※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。