今回もとある本に記載の一目均衡表を使った手法の検証をします。
それは一目均衡表の転換線・基準線・雲の位置関係ででエントリーをし、転換線・基準線・ATRによって決済するやり方です。
目次
1.一目均衡表の基準線と転換線とは
まずは一目均衡表の基準線と転換線について説明します。
転換線は直近ローソク足9本の高値と安値の平均値で、基準線は直近ローソク足26本の高値と安値の平均値です。
これからわかる通り、両方とも移動平均線に似ています。
転換線は短期的なトレンドを計るために使われ、基準線は中期的なトレンドを計るために使います。
一般的に、この二つが両方とも上を向いていれば上昇トレンドであり、下向きなら下降トレンドと言われます。
また、転換線が基準線より上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドとも言われます。
2.一目均衡表の雲とは
次に、一目均衡表の雲について説明します。
一目均衡表の中の一つの要素である雲は、ローソク足のサポートラインやレジスタンスラインになると言われています。
またこの雲をローソク足が突き抜けたら、その方向にトレンドが転換するシグナルとも言われます。
3.ATRとは
一般的にはATR(Average True Range)はあまり馴染みのないインジゲータかもしれません。
ATRは一定期間の値動きの平均をとったものです。
つまりATRの数値が大きい=ボラリティが大きいと言えます。
注意点としては上昇トレンドであれ下降トレンドであれ、値動きが大きくなっているならATRは上昇します。
4.転換線、基準線、雲の位置関係でエントリー!
手法の説明をします。
今回の手法は1時間足を使うもので、通貨ペアに縛りはありません。
この手法は雲、転換線、基準線とローソク足の位置関係でトレンド判断をしてエントリーします。
そして決められ値幅だけ値段が動くか、転換線と基準線のクロスで決済をします。
具体的には以下のようにします。 ※以下はショートの場合で、ロングの場合はこれの逆です。
以下の条件を両方満たしたらエントリーします。
①転換線・基準線・雲がローソク足の上にある。
②転換線が基準線を下抜いた。
以下の条件のいずれかを満たしたら決済します。
①転換線が基準線を上抜いた。
②エントリー時のATRの数値の2倍値段動いた。
この手法の勝率や期待値やいかに!
検証してみましょう!
5.検証条件
[基本情報]
通貨ペア:複数
資金:100万円
取引ロット:0.5
時間足:1時間足
スプレッド:5
期間:過去5年(2014/1/1~2018/12/31)
[インジゲータ]
一目均衡表:転換線 9 基準線 26 先行スパン 52
ATR:期間 14
上記の条件にて検証します。
6.検証
それでは検証を開始します。
以下にそれぞれ示す画像の下の青線のグラフが資金の推移を表しています。
6−1.ドル/円 1時間足
いまいちですね。
資金のアップダウンが激しい上にトータルでマイナスです。
総取引数: | 128回 |
純益: | -24,070円 |
売りポジション勝率: | 46.55% |
買いポジション勝率: | 54.29% |
一回あたりの期待値: | -188.05円 |
6−2.ユーロ/円 1時間足
ユーロ/円でもダメですね。
総取引数: | 125回 |
純益: | -127,035円 |
売りポジション勝率: | 48.21% |
買いポジション勝率: | 53.62% |
一回あたりの期待値: | -1016.28円 |
6−3.ポンド/円 1時間足
こちらも優位性はなし。
総取引数: | 116回 |
純益: | -27,840円 |
売りポジション勝率: | 48.08% |
買いポジション勝率: | 53.13% |
一回あたりの期待値: | -240円 |
6−4.ユーロ/ドル 1時間足
これも負け。
総取引数: | 118回 |
純益: | -203,388円 |
売りポジション勝率: | 53.13% |
買いポジション勝率: | 57.41% |
一回あたりの期待値: | -1723.63円 |
7.まとめ
この手法に優位性はない!
雲とローソク足の位置関係や、転換線と基準線のクロスなど一般的にトレンドを判断するための指標を使ったトレードでしたが全然でした。
売買のロジックだけ聞くと勝てそうに聞こえるのですが、検証するとこのように全然ダメなことが多いです。
誰が言っている手法であれ自分で検証することが大事です。
引き続き一目均衡表とATRの検証を続けます。
※以下のページでは、このサイトで検証したたくさんの手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。