このページでは高勝率の手法でトレードした筆者自身の体験談と、高勝率手法の注意点を記載します。
勝率は高いに越したことはありません。しかし、勝率のみにフォーカスすると大変なことになります。
目次
1.FXで高勝率の手法を見つけた!その手法とは?
当時の筆者は勝率の高い手法を探していました。
チャート情報をエクセルで持っていたので、エクセル上で色んな計算をしていました。
そんな時ふと思ったのです。
「利益確定の幅をすごく小さくすれば、ほぼ勝てるんじゃないか??」
レートは常に上下に動きながらどちらかの方向に向かうのだから、ほんの少しの利益確定幅ならどこでエントリーしてもどちら方向に向かうにしてもほぼほぼ利益確定できるんじゃないかというわけです。
筆者が当時使っていた業者においては最小の利益確定幅が0.030円であったため、常に0.030円の利益幅で指値決済をしようとしたのです。
2.実際にエクセルで勝率を検証してみると??
たまたま筆者が持っている、2019/1/17~2019/12/23の15分足のチャートデータを用いてかつて筆者がやった手法の検証をしてみましょう。
以下の画像のA列からE列にチャート情報があり、その各時間の全ての始値でロングかショートでエントリーした場合に0.030円の値幅で利益確定ができていたのかを計算しています。
それぞれエントリー後1日以内、2日以内、3日以内に0.030円で利益確定できるのはどのくらいあるかを計算しました。
結果、以下のような集計結果となりました。
なんと、1日以内に利益確定できる確率は91.48%、3日以内なら95.57%となります。
検証時間 | 総数 | 利確できた数 | 利確できなかった数 | 勝率 |
24時間以内 | 46092 | 42166 | 3926 | 91.48% |
48時間以内 | 45898 | 43334 | 2564 | 94.41% |
72時間以内 | 45706 | 43681 | 2025 | 95.57% |
こんな計算結果を見て当時の筆者は考えてしまいました。
「適当にエントリーしても勝率9割超えなら、チャートの形を見て自分の判断を加えてロングかショートかを決めればまず失敗はしないのではないか?」
つまり明らかに高値っぽいところでロングエントリーはしない、明らかに底値っぽいところでショートエントリーはしないとすればほぼ負けることはないだろうと考えてしまいました。
ここでのポイントは、筆者はこの時損切りのことを具体的に考えていないということです。
損切りについては、もし運悪く利益確定できなくてもある程度戻ってきたところで損切りすればいいやと漠然と考えていたのです。
これが非常に危険なのです。
3.高勝率手法の結末
筆者はこの手法で毎日エントリーをし続けました。
そして小さな利益をコツコツと積み上げ続けました。
自分で考えた通り”しばらくは”上手くいっていたのです。
筆者の時の例とは異なりますが、上記の表の2019/2/8の個所を見てください。
ここでショートエントリーした場合は、3日以内でも利益確定できないという計算結果になっています。
ここでエントリーした場合、その後何円分の含み損を抱えるかの数字を横に出してみました。
以下の表での含み損はまだ精神的にも資金的にも耐えられるレベルでしょう。
しかしこれがその後どうなったでしょう。
このエントリーは、結局1カ月たっても0.030円の利益確定はできていません。
そしてこのとき何円分負けているでしょうか。
なんとたったの0.030円分をとれずに、2円分以上の含み損を抱えています。
もしこの手法の勝率が高いからと、大きめのロットを持っていたらどうでしょう。
1ロット持っていたなら20万円の含み損、5ロット持っていたなら100万円もの含み損を抱えることになります。
口座の資金量によっては強制ロスカットをくらって市場から退場させられているでしょう。
この例のように、ある時のたった一回のエントリーで全てを吹き飛ばします。
筆者もこの例のように、コツコツ積み上げた利益をたった一回のエントリーで全て吹き飛ばしました。
積み上げた利益分程度で済んだのは不幸中の幸いでした。ここで損切りしないとほんとにやばいと感じ、どうにかそこで損切りをしたのです。
4.FXはなぜ多くの人が勝てないのか?筆者が陥ったFXの罠
人間には感情があります。
筆者も同様であり、理性的な判断ができませんでした。
利益を得るためにFXをやっているのに、損をするなんて嫌だと考え損切りをできなかったのです。
ここに関しては以下のページもご参照ください。
また、筆者が上で記述したような明らかで高値ではロングエントリーしない、明らかに底値の時はショートエントリーしないという目視での確認も上手くいかなかったことになります。
結局のところ誰にも相場のことはわからないのです。
相場は常に不確実性をはらんでおり、未来の値動きをわかる人間なんていません。
どれだけ確率が高くても100%にはなり得ません。
どれだけ勝率が高くても、何度も何度も実行すれば必ずいつか外れる時が来るのです。
5.FXにおける勝率の考え方!期待値を考えに取り入れる!
誤解してほしくないのは、勝率は高いに越したことはないということです。
勝率は高いほどメンタルが安定するからです。
問題なのは勝率だけを見て、期待値を無視することです。
期待値とは一回あたりの取引で得られる(失う)金額の平均値です。
どれだけ勝率が高くても負けるときに大きく負けるなら期待値はマイナスになるというわけです。
勝率を出す意味とは、勝率を理解してメンタルを健全に保つことにあると筆者は考えます。
つまり、勝率が30%であると理解した上で期待値がプラスの手法を行うのならば、仮に7連敗しても耐えられるというわけです。
連敗してもあるときの一回の売買で大きく勝てると理解しているのならば、その売買をブレずに続けられるというわけです。
ここがブレると理性的な判断がとれなくなります。
6.まとめ
・勝率は高いに越したことはない。
・しかしFXで勝率の高さのみを追い求めてはいけない。
・勝率と併せて期待値の面からも考えるべき。
今回は筆者の苦い失敗談の話をしました。
FXで勝率ばかり追い求めると、ほとんどの場合上手くいってもある時に大失敗をします。
このページを読んだ皆さんは筆者と同じ失敗をしないよう願って本ページを残します。
※以下のページでは、このサイトで検証した手法の内、勝てる手法をまとめています。是非ご参照ください。